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2018年12月7日

10325:ただの疲れ目とは違う 休んでも改善しない「眼精疲労」の正体は?:若倉先生記事紹介

12/6(木) 12:14配信

清澤のコメント:来年正月に提出する眼科の治療指針をまとめた本の原稿依頼を受けています。そのテーマがなんと、この眼精疲労。正月休みはその準備に食われそうです。眼精疲労は休んでも戻らぬ眼の疲れで有って、多くの原因に因るものの複合体で有ると説明されます。読売新聞(ヨミドクター)の今回の若倉先生の記事はその「眼精疲労」です。英語ではアステノピアastenopiaと言い、それがなぜ眼精疲労と訳されたのかは大きな疑問です。来年、私の記事ができたらまた紹介させていただくとして若倉先生の見解を拝見しましょう。https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181128-OYTET50011/ こちらをご覧ください。

なお、私のブログでは:2017年1月25日 8522:「眼精疲労」とその対策を考えてみました、という記事があってその所在は https://www.kiyosawa.or.jp/dry-eye/44547.htmlです

 ――若倉先生の記事の要点です――

「眼精」は目に宿るあらゆる力 日本独自の感覚

 眼精疲労は、誰にでもありうる眼疲労と違って、十分に休んでも(例えば一晩ぐっすり寝ても)改善しない目や心身の疲労状態を指します。

  「精」は心身の力を意味し、「眼精」という語は目に宿るあらゆる力、目力を意味する古語です。「精を出して働く」という日本語がありますが、古くは「眼精を出して働く」とも言ったそうです。

  つまり、目は単に見るという機能だけでなく、そこにはいわば精神力のようなパワーが存在し、眼精疲労はその力が衰えた状態といえましょう。「眼精」に対応する英語はなく、日本独自の感覚かと思われます。

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ただの疲れ目とは違う 休んでも改善しない「眼精疲労」の正体は?

「目が重くて憂鬱」「ものを見るのがつらい」「目の息が続かない」

 眼精疲労では、必ずしも見え方が悪くなるのではなく、生活の上で耐えられないほどの心身の疲労を表わします。

  「疲労」というのも、科学的に定義するのは難しい感覚ですが、眼精疲労では眼痛・目のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気・倦怠(けんたい)感・抑うつなど様々な形で表面化します。私の外来でも、「目が重くて憂鬱(ゆううつ)である」「ものを見るのがつらい」「目の息が続かない」などと表現した方もおられます

  眼精疲労は「腹痛」「腰痛」などと同様の症状名、状態名であり、必ず原因があるとの観点で診察をします。

  ただし、眼精疲労に含まれる症状そのものが、実はある疾患の主たる症状である場合は別に考え、注意しておくべきです。

  ドライアイなど目の表面の不具合はその代表格でしょう。また、眼瞼痙攣(がんけんけいれん)も「まぶしい」「目がしょぼしょぼする」「目を開けているのがつらい」など、まるで眼精疲労そのもの訴えのようにみえてしまいます。

脳の不調や視覚への負担、心身の疲労の総和で出現

 さて、私は眼精疲労を、(1)目やその制御系の不具合、(2)視覚の利用環境の不適、(3)心身の状態の悪化、の3要素の総和が、各人の持つ我慢の限界を超えた時に出現する症状と定義します。

  各要素を簡単に解説しましょう。

 (1) 目やその制御系の不具合 眼球にものを見るのに必要な機能を損なうような疾患があれば、当然、眼精疲労は起こりやすくなるでしょう。目の制御系の不具合とは何でしょう。ものは眼球で見ているのではなく、目から脳へ伝達された信号を解析して見ています。その時に働いているのが、視覚の高次脳です。病気や薬物や外傷や加齢などで、そこに不調が生じれば、眼精疲労の原因になるわけです。

 (2) 視覚の利用環境の不適 眼鏡やコンタクトレンズなどの矯正が合っていない場合や、左右の目の見え方に差があってそれがうまく修正されていなかった場合がまず挙げられます。それと、毎日パソコン作業を休息することなく行う、不適切な照明下で作業するなど、視覚に過剰な負担をかける事態もここに含まれます。

 (3) 心身の状態の悪化 心身が疲労している時に視覚に負担をかける作業を続ければ、やがて高度の眼精疲労がやってきます。目標を目指して楽しくやっていれば、同じような作業でも疲労は感じにくいのです。ゲームをしていて時間を忘れてしまうなどはその典型でしょうが、これは後で反動がやってくるかもしれません。(若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)

Categorised in: 神経眼科