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2018年10月22日

10207:バイアグラで長期的な色覚異常、米症例報告;記事紹介

提供元:HealthDay News 公開日:2018/10/18

清澤のコメント:バイアグラと言えば虚血性視神経症や網膜動脈閉塞症の副作用が知られています。以前、私は「866 バイアグラは網膜機能に悪影響を与えないという内容の論文が出ています。」という記事で紹介しました。最近でも、「10162:RVOの治療戦略と網膜硝子体分野のトピックス:近藤先生」で、大量に飲むとIS=OSラインが消えるなどの報告があるとも紹介されています。
シルデナフィル(商品名バイアグラ) は内服量が多いと網膜や網膜循環に害があり、色視症の原因にもなると記憶すべき薬剤である様です。

バイアグラで長期的な色覚異常、米症例報告のイメージ

高用量の勃起不全治療薬のシルデナフィル(商品名バイアグラ)を使用したところ、眼の網膜が障害され、実際にはない光が見える光視症や、視界に入る物が赤っぽくみえる赤視症といった症状が長期的にみられた―。そんな症例報告が「Retinal Cases」10月号に掲載された。報告書の著者で米ニューヨーク・マウントサイナイ眼科耳科病院のRichard Rosen氏らは「シルデナフィルによって不可逆的な色覚異常が残る可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 この症例は、両眼ともに視界に入る物が赤っぽく見えるようになったために救急医療クリニックを受診した31歳の男性。受診時に症状は2日間続いていたという。

 眼に異常がみられたのは男性がネットで購入した液状のシルデナフィルを服用した後だった。男性は勃起不全治療で使用する1回当たりの推奨量である50mgを大幅に超える量のシルデナフィルを服用したことを医師に明かした。シルデナフィルは適切な量であっても眼の問題を起こす場合はあるが、通常は24時間以内に症状は消失するという。

 この男性に網膜電図(ERG)検査や光干渉断層撮影(OCT)などの検査を実施した結果、色覚に関与する網膜の錐体細胞に損傷が認められ、高用量のシルデナフィル使用に関連した網膜毒性と診断された。男性にはさまざまな治療が行われたが、診断から1年以上にわたって赤視症の症状に改善はみられなかった。

 Rosen氏は「実際に網膜に構造的な変化が認められるとは予想外だったが、これが患者の苦しんでいる症状の原因だと考えられた」と説明している。また、「色覚障害はシルデナフィルの副作用として既に知られているが、網膜の構造的な変化が視覚化されたことはなかった」としている。

 この症例報告を受け、米レノックス・ヒル病院の眼科医であるMark Fromer氏は「シルデナフィルの入手経路や使用量を考慮すると、まれなケースだ」と強調する。ネットで販売されているシルデナフィルには不純物が含まれていた可能性があり、それを大量に使用したことが問題であったとも考えられると指摘している。その上で、同氏は「医師の指導がなくネットで購入した医薬品の使用に警鐘を鳴らす症例報告だ。また、推奨量を厳格に守る必要性をあらためて認識させる報告ともいえる」と話している。

 一方、Rosen氏も「今回の知見から、医師はシルデナフィルを過量服用している患者では細胞レベルでの変化がみられる可能性があること認識する必要がある。このことは、シルデナフィルの過量服用に伴う危険性について患者教育の改善にもつながるだろう」と説明している。また、「薬を多く服用するほど効果は高いと考える人は多い。しかし今回、一般に広く使用されている薬剤でも大量に使用するといかに危険であるかが浮き彫りになった」と付け加えている。

2018年10月1日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 

原著論文はこちら

noga F, et al. Retin Cases Brief Rep. 2018 Fall;12 Suppl 1:S33-S40.

Categorised in: 神経眼科