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2018年9月23日

10130:軽度認知障害およびアルツハイマー病における変化した黄斑微小血管系;文献紹介

昨日大学の後輩K君とお昼を食べながらの話で、アルツハイマー病ではOCTアンギオグラフィーで黄斑血管密度が減るという話があると聞きました。数日前に届いたJNOを見たらその同じ話題が取り上げられていました。私はアルツハイマー病の視覚症状は大脳における萎縮と症状の対応がみられることから、高次視機能の障害と思っていましたが、話題の一つとしてこの抄録を邦訳して再録してみます。この著者は昨年も同雑誌に動揺の論文を掲載していました。

Jiang、Hong、MD、PhD 他

Journal of Neuro-Ophthalmology:2018年9月 – 第38巻 — p292-298

背景:本研究の目的は、軽度認知症(MCI)およびアルツハイマー病(AD)における黄斑微小血管ネットワークを分析することであった。

方法:AD患者12例とMCI患者19例を同様の年齢の21の認知的正常対照群とともに募集した。網膜血管ネットワーク(RVN)、表在血管叢(SVP)、および深部血管叢(DVP)を含む、網膜微小血管ネットワークを黄斑領域で画像化するために、光コヒーレンス断層撮影血管造影法を用いた。微小血管密度を表すフラクタル分析(​​ボックス計数、Dbox)は、異なる環状ゾーンおよび象限セクタにおいて実施された。黄斑神経節細胞 – 内腹層(GC-IPL)の厚さを、Zeiss OCTを用いて測定した。網膜微小血管系と臨床症状との関係を分析した。

結果:ADを有する患者は、対照と比較して、直径0.6~2.5mmの環内のRVN、SVP、およびDVPの密度が低かった(P <0.05)。 MCIを有する患者は、対照よりも上鼻四分円におけるDVPの密度が低かった(P <0.05)。群間でGC-IPLの厚さの有意差はなかった(P> 0.05)。対照群からMCI、次いでAD(P <0.05)までの血管密度の減少傾向があった。 DVPの網膜微小血管密度は、AD患者におけるGC-IPLの厚さ(P <0.05)と相関したが、MCIおよび対照を有する患者では相関しなかった。

結論:ADを有する患者は、網膜微小血管ネットワークの密度が対照よりも低かった。我々の知見は、ADにおける網膜微小血管機能障害の存在を示唆している。

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