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2018年9月19日

10121:視神経炎? Q&A

Q & A:視神経炎?

質問:

2018年春、左目の視野異常(中心欠損)を自覚し、5月に眼科を受診しました。本人の自覚症状は強かったのですが、検査では視力等も全く異常が認められず点眼薬で様子を見ることとなりました。

7月に症状の改善無く再診し、視力低下と視野異常が認められ(中心暗点)、

特発性視神経炎の診断で8月にステロイドパルス(1000?3日)治療を受け、

現在プレドニンを内服しています。改善はないようです。

最近ERGを実施し異常なしとのことでした。抗アクアポリン4抗体(ELISA)は陰性です。

神経内科受診を勧められていますが、まだ受診できていません。

清澤眼科医院通信の特発性視神経炎の記事内に「視力の回復は通常6ヶ月以内に確定してしまいます」との記載があり不安になり相談させていただきました。

医師より瞳孔の反応もわるくなってきているとの話もありました。

本人はストレスが原因ではないかと訴えています。

まだまだ回復の可能性ありますでしょうか。先生のご意見をお聞かせください。

宜しくお願い致します。

お答え:

お答え:視神経炎は視神経の各神経線維を囲む髄鞘と呼ばれるグリア細胞が脱落する炎症性の疾患で、多くの場合には中心暗点と視力低下を示します。患眼で色が解らなくなる(後天的色覚障害)ことや、発症時の眼球運動痛、客観的に検出される(患側)対光反応の片眼性低下などが特徴です。

 さてこの患者さんの場合、自覚してからパルスの施行までが2か月とその進行が視神経炎としては遅い気もします。視神経周辺の腫瘍など、進行の遅いものも特に考える必要があり、それにはMRI,MRAなどの画像診断を繰り返す必要があるでしょう。

ステロイドパルスというのは大量のステロイドを3日間点滴するものですが、それに対する反応は乏しいと言っておいでの様です。ステロイドがとても良く効くなら、膠原病のような炎症性疾患を、普通に反応するならば特発性視神経炎を、そして効かないならミトコンドリア病に含まれるレーベル病などを考えます。レーベル病では遺伝子検査が必要です。

視神経への血液循環の侵される虚血性視神経症の中には、反応性の良い動脈炎型のものと、動脈硬化や高血圧に見られる非動脈炎型のものが含まれます。

この疾患に対して、ストレスは直接の原因としては考え難いと思います。間接的には、病状を修飾する要素とはなるかもしれません。

先に他の眼科医が、視神経炎と診断し、ステロイドパルスまで行ったが、治療効果が十分に出ていないという患者さんが来院した場合の診察手順を考えてみます。

  • まず、前医からの紹介状を用意し、持参していただきます。
  • 朝9時に来院した時点で視力、視野(ゴールドマン視野)、対光反応評価を抜けなく迅速に行う(約2時間)。
  • 次に、視神経炎に関連する採血検査一式施行(約15分)。2週後に採血結果は、ほぼ出揃います。
  • 複数の原因遺伝子を含むレーベル病の採血検査は、知り合いの病院(御茶ノ水)にそれを目的に特に依頼しますのでそこへ移動していただきます。(その病院への予告が必要で、採血は金曜と土日の週末では出せません。さらに保険適用外(数万円)です。その病院では依頼を受けたら採血して、某大学病院に分析を依頼してくれます。この採血は直接に当院からは出せません。午前11時半頃か?)
  • 予め、予約を入れておいて、来院日の昼過ぎ(午後1時頃)にMRIとMRAの撮影(御茶ノ水の画像センター)。その日に読影したものを医院に再度持ち帰ってもらい(午後4時頃)、腫瘍(髄膜腫)などの見落としを確実に除外する必要がありそうです。
  • そして、2週間後に再来していただき総括的説明をします。診断によって(腫瘍などが出た場合には)はその時点で、神経内科または脳外科に入院含みで再精査か治療を依頼することになるでしょう。

再精査などにつき急いでご検討ください。 反対眼までの視力が失われる危険性までを考える必要があります

Categorised in: 神経眼科