お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2018年8月6日

10054 ブラウン症候群(Brown症候群)の診断と治療

10054 ブラウン症候群(Brown症候群)の診断と治療

_160_brown1先天的な癒着や外傷などで上斜筋が眼窩の上内側の前端に有る滑車(trochlea:滑車の位置はこの図の左上端。)と癒着して運動制限を受ければ、それがブラウン症候群(Brown症候群)と呼ばれるものです。

眼球運動の障害は単なる筋や神経の麻痺なのか筋の伸展や運動の障害かを見分けることも治療の前には是非必要なことです。

前回も記載しましたが、今回はもう少し詳しく解説します。

ーーーーーー

 Brown症候群はHarold W. Brownによって1950年に “上斜筋腱鞘症候群と名付けられました。 この症候群の定義は「癒着などの機械的な障害で、内転時に上斜筋が伸展制限を持つために上転が制限されるもの」ということになっていました。

Diffenbachが1839年に記載して以来、100年以上もの間この疾患は、機械的な要因による偽性下斜筋麻痺と臨床の斜視学者には呼ばれていました。

ブラウン症候群図は左ブラウン症候群ですね。 たとえば左のブラウン症候群では左目が内転した時に十分に上を向けません。

そのため患者は顎を上げて、顔を右に振って、体軸に対して正面を向く眼が、顔に対しては左に寄った位置をとれる顔位を好みます。

隠れている障害は、滑車と上斜筋付着部の間に十分な距離をとれなくなっている(上斜筋の伸展障害)ことです。

上斜筋の移動は収縮するにしろ伸展するにしろ安静位から8ミリ移動するキャパシティーが必要だそうです。

 同じページにはブラウン症候群の臨床症状が次のようにまとめられています。

1. 視力と立体視は通常は正常です。

2. 麻痺側とは反対側へむき顎を挙げた顔位を取ります。

3. 内転下眼が麻痺側では上転しません

4. まっすぐ上を見たときと反対側で斜め上を見たときの上転も制限されています。

5. 広がった瞼裂が外転時にみられます。

6. 内転時に患眼が下に引き込まれることがあったりなかったりします。

7. 必ずしも先天性ではなくて、(外傷や炎症などによる)後天性のものもあります。

8. 間歇性で痛みがないこともあります。

ブラウン症候群の治療:

自然発症は、後天性および先天性の両方の症例で起こりうる。先天性の場合、眼球運動の問題は通常は一定であり、自然に解決する可能性は低い。

ブラウン症候群はどのように治療されるか?

ブラウン症候群の治療法の推奨は、原因と重症度によって異なります。 軽症例では、通常、観察のみで十分である。視力と同時に両眼を使用する能力(両眼視)は、幼児では注意深く監視する必要があります。 近年発症した、外傷性の不安定な症例については、しばしば非外科的治療が勧められる。全身および局所に注射されるコルチコステロイドは、後天性ブラウン症候群の炎症症例を治療するために使用されている。 イブプロフェンのような非ステロイド性抗炎症剤も使用されている。 直視しているときの眼位ずれ、重度の複視がある、両眼視の喪失または頭部の異常な位置のいずれかが現れると、外科的処置が通常は推奨される。最適な管理のためには複数回の手術が必要な場合があります。

Sprungerらによれば、現在、ブラウン症候群と呼ばれる上斜筋腱鞘症候群の外科的処置が、第一眼位におけるにおける頭部の位置異常または明らかな患眼の下斜視の患者に対して提唱されている。従来、様々な結果と合併症を伴ういくつかの外科的処置が一般的な合意が無いままに報告されている。斜筋切腱術が最も効果的な初期手術であった。この手術でブラウン症候群に関連した異常な頭部姿勢の治療には成功できた。手術の結果として感覚機能の喪失はなかったが、手術が必然的に感覚機能の改善につながることもなかった。我々は、ブラウン症候群の初期治療法として上斜筋機能を弱めるのと同時に上斜筋麻痺を起こす方法を推奨ない。それは、患者の約半分が1年以上追跡しても上斜麻痺を発症しなかったからである。

Categorised in: 神経眼科