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2018年8月5日

10051:「神経眼科におけるボツリヌス治療」(山上明子先生)を聴きました

「神経眼科におけるボツリヌス治療」
講師:山上明子 先生 (井上眼科病院)を聴きました。(日本神経眼科学会 認定講習会 201884 午前11 15 分~)

zutsu清澤のコメント: 片頭痛やうつ病へのボトックス適応拡大の可能性の話(下記末尾の文献、別記事に抄録を掲載)は、先日患者さんから問われた「眼瞼の痙攣(運動症状)がはっきりせず、疼痛が主である眼瞼痙攣例にボトックス投与は有効か?」という質問に対して、「経験的にはイエス」と私が考えていた状況を一歩進めてくれる情報であったと言えそうです。
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ボツリヌスA毒素は1996年に眼瞼痙攣への適応を承認され、2000年に片側顔面痙攣、2015年には斜視に対する適応も認められられた。

斜視へのボトックス治療について述べる。

作用機序は神経終末でのアセチルコリンの放出を止めること。 

斜視に対する治療法には、屈折矯正、プリズム、視能訓練、手術があったが、そのほかにこのボトックスが加わった。

ボトックス注射は手術による筋弱化手術に対応する。

長所は:可逆性、侵襲が少ない、何回も可能なこと

短所は効果が非永続的で、定量性に欠ける、眼瞼下垂や上下斜視を起こすことも有ることである。

適応は12歳以上、機械的制限がないもの、手術希望が乏しい患者。微調整など手術リスクの高いものは避ける。

良さそうなケースには、両眼視の良い急性内斜視(内直筋に5単位以下)、輻輳痙攣も良かろう。

禁忌には筋無力症、ランバートイートン、アミトロ。妊婦と授乳中。女性は2月、男性は3月の投与後の避妊を要す。

慎重投与には狭隅角眼、呼吸器疾患、筋弛緩剤投与中の患者を含む。

今後の適応拡大には片頭痛(PREEMPTスタディー)やうつ病が考えられている。

Headache. 2010 Jun;50(6):921-36.
OnabotulinumtoxinA for treatment of chronic migraine: pooled results from the double-blind, randomized, placebo-controlled phases of the PREEMPT clinical program.

Categorised in: 神経眼科