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2018年7月27日

10037:江東眼科学術研究会 聴講印象記

BlogPaint江東眼科学術研究会(第2回 2018.7.26)を聞いて来ました。

抗アクアポリン4抗体視神経炎の長期経過 順天堂東京江東高齢者医療センター 荒井宣子先生:

6例ほどもの症例を集めておいでであった。ポイントは、アクアポリン4抗体視神経炎は中高年の女性に多い重篤な視神経炎であって、それにはステロイドパルスに続けた長期にわたるステロイド経口投与が必要で、10㎎程度で2年も続ける必要があるケースも稀ではない。(ガイドラインは:http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/aquaporin.pdf 参照)

下垂体腺腫が疑われたが、鑑別に苦慮した両耳側半盲を呈した一例 昭和大学豊洲病院、吉田健也先生:

この話のポイントは、ハンフリー視野のグレースケールを漫然と見てはいけない。これは強度近視に緑内障が被った例と説明された。敷島先生は「ハンフリー30-2閾値視野で半盲性欠損と判定するには、(最外縁を除いた)、垂直経線を挟む連続する閾値が3組以上4dB以上の差を示すことが必要(文献追加要)で、このケースはこの条件を満たしていない。」ので同名半盲ではないと講評しておられました。

特別講演 「視神経疾患の基本的診断ステップ」東京慈恵会医科大学眼科学講座教授 敷島敬悟 教授:

視神経の変化には腫れている、視力視野変化、あるいは白いといった変化がある

見るべきものには・問診・年齢と性・痛みの有無・視力低下・ ・RAPDがある。

病歴には・副鼻腔手術歴・DM・薬剤歴(エタンブトール他)・嗜好品・家族歴などを挙げる

視神経炎でも特発性(20-30女性)・AQP4(40-50女性)・虚血(高齢)・レーベル病(10-30 男)・視神経髄膜腫(女性)などが特徴を持つ。

視神経炎の特徴は眼球運動痛で有り、側頭動脈炎なら側頭部痛がある。

視力低下は、抗AQP4、MS,外傷、鼻性は落ちやすく、レーベル病ではあまり落ちない。

乳頭にはチェックポイントがある

RAPDも見るべき点であり、特に白内障術前で見ると有効。swinging flushlight testを行う。

次のステップは視神経炎なのかどうか?そうであれば典型型か非典型型か?虚血性かどうか?を見る。

--(以下各論)--

◎典型的視神経炎は20歳代女性・急性・中等度への視力低下・片眼・RAPD陽性・有痛・発赤はびまん性である。運動、入浴などで一過性に視力の低下するウトフ兆候がある。視野で虚血性視神経症と鑑別しようとすることは危険。視力は自然回復する。

◎虚血性視神経症では下方の水平半盲が多い(が決定的ではない)。

◎ステロイドパルスの適用という物が有って、早期回復を特に願う・重篤・両側・再発・MS合併・自己免疫性などがある。パルスはメチルプレドニンで1000mg/日で3日。抗AQP4,抗MOG,サルコイドーシス、IgG4、猫ひっかき病(テトラサイクリンやミノマイシン有効)なども含まれる。

◎非典型的視神経炎は乳頭・視力低下・疼痛・転帰に特徴がある。

◎小児なら;両側で・重篤・乳頭炎型・ワクチン接種歴のあるものもある。脳症を伴うADEMと視神経症単独のCISに分ける、

◎NMOまたはNMO関連症候群(NMOスペクトラムディスオーダー)。診断はAQP4抗体以外に視神経炎や脊髄炎などほかに指定された他の症状が有れば、診断できる。MRIで長い視神経病変がある。パルスから血液浄化療法につなぐと良い。長期ステロイド継続を要す。

◎抗MOG抗体視神経炎は、乳頭炎型で、すぐに再発しやすい。MRIは反応が強く、perineural enhancementが見られる。

◎自己免疫性視神経症は、CRION(慢性再発性視神経症)を示す。

虚血性視神経症は動脈炎性と非動脈炎性を分ける

◎Leber病LHON:2015年に難病指定された。11778、3460、14484などの変異で起こるが、11778が9割を占める。イデベノンが使われる。LHONの治療は日本の眼科2016参照。LHONはミトコンドリア視神経症だが、症状他が似ているから、たばこアルコール弱視までをここに含める人がいる。

◎DOA(優性視神経萎縮)はOPA1遺伝子で起きる。これは家族内発症が見られ、進行は極めて緩徐。両眼に起きる。現在、遺伝子検査も可能である。

◎偽鬱血乳頭は鬱血乳頭と紛らわしいもの。ドルーゼンが視神経に埋没していたりする。

◎偽脳腫瘍は脳腫瘍が無くて脳圧が高い。ダイアモックスを使う。体重の減量も有効。optic nerve compartment syndrome (脳圧が高くとも、片眼だけに鬱血乳頭が出ることが有る。数パーセント)

◎視神経鞘髄膜腫:ほとんどが女性、ゆっくり進む片眼の障害。萎縮も有り、腫れも有る。optociliary shunt vessels. 造影CTでトラムトラックサインが見られる。治療は定位分割放射線照射。

ーー聞き取りメモはここまでーーー

 

 

Categorised in: 神経眼科