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2018年3月14日

9687:慢性炎症性脱髄性多発神経炎CIPDと視神経炎:神経眼科臨床カンファレンスから

慢性炎症性脱髄性多発神経炎と視神経炎:(医科歯科大神経眼科カンファレンスから)


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清澤のコメント:
CIPDが多発硬化症やギランバレーに類似したミエリンに対する免疫現象であると考えれば、それが視神経症を発症することに違和感はない。しかし、その合併は必ずしも多くは報告されていない。2に示す症例は兵庫医科大からのものである。

 

1、「慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy: CIDP)とは、2ヶ月以上にわたり進行性または再発性の経過で、四肢の筋力低下やしびれ感をきたす末梢神経の疾患。
臨床症候は四肢の運動障害(手足の脱力、筋力低下)、感覚障害(手足のしびれ、痛み)を認め、まれに脳神経障害、自律神経も障害されることもある。また手足のしびれ感やピリピリするなどの違和感を認めることがある。

CIDPを発症する原因は現在もなお不明だが、末梢神経に対する免疫異常により、神経線維を覆うミエリンが破壊されることでいろいろな症状が出現すると考えられている。

類似の症状をきたす疾患として、ギラン・バレー症候群(GBS)が挙げられるが、大きな違いとして、CIDPの経過が2ヶ月以上慢性と慢性であること、再発と寛解を繰り返す患者さんが多いのに対して、GBSは4週間以内に症状はピークを迎え、その後は再発することはごく稀であることが挙げられる。
(難病情報センター記事http://www.nanbyou.or.jp/entry/4089を参考に記載)

 

2、”Chronic” optic neuropathy in chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy: A case report   Shohei Watanabe 他

CIPDにおける視神経炎:
いくつかの報告は、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)における視神経病変を示唆しているが、視神経障害の臨床経過はよく報告されていない。

この報告はCIDPを有する「慢性」視神経症を発症した日本人を報告した。 この女性患者は、左眼の亜急性視覚喪失を示し、視覚機能は、静脈ステロイド治療の2クールおよび免疫吸着(IA)の7セッションで治療されるまで改善しなかった。
これらの免疫調節治療は、視力喪失の発症から6ヵ月後に行われたが、視力は完全に回復した。
これらの知見は、CIDP患者の視神経症は慢性的な臨床経過を示すことがあり、慢性期に投与した場合でもCIDPによる視神経障害に対して免疫調節療法が有効であることを示唆している


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