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2018年2月23日

9632:小児の視神経炎と急性散在性脳脊髄炎(ADEM)


神経眼科医清澤のコメント:乳頭浮腫と視力低下を起こす小児視神経炎はウイルス感染に続発することが多く、両眼性に視神経乳頭に炎症を示すことが多い。一方、ウイルス感染に続発する重篤な脳炎にADEMが有り、その10%程度が視神経炎を示すとされている。

_217_opticneuritis1◎小児の視神経炎
視神経炎は視神経に炎症を生じる疾患。眼底検査で容易に発見される視神経乳頭炎と眼球後部視神経に炎症がある球後視神経炎に分けられる。好発年齢は910歳。半数以上が両眼性に発症し、約70%が乳頭炎の所見を示す。麻疹、水痘、インフルエンザ、感冒などのウイルス感染やワクチン接種後数日から数週して発症することが多い。ADEM(急性散在性脳脊髄炎)や髄膜炎は視神経炎を合併しやすいとされる。


繰り返し視神経炎を発症するものでは多発性硬化症の危険性が高い。他に、副鼻腔や眼窩の炎症、薬物、中毒、外傷なども球後視神経炎の原因となることがある。

〇症状:急激な視力低下や中心暗点を主とする視野障害、眼球運動時痛が主な症状。対光反応は著しく鈍い。眼底検査で乳頭炎と球後視神経炎を大別する。小児では両眼性に視神経乳頭が発赤・腫脹する乳頭炎を呈することが多い。脳圧亢進による鬱血乳頭と区別する必要がある。鑑別診断には、眼窩内や頭蓋内の腫瘍など、緊急性のある疾患を鑑別診断するために、MRI 検査が必須。

〇治療と管理:ステロイドパルス療法により視力回復は1-2週間で始まり、1-2 ヶ月で正常化することが多い。一般的には自然寛解も多く、小児視神経炎に対するはっきりとしたステロイド治療の有効性は一定の見解が得られてはいない。長期的な経過観察も必要。

〇受診のタイミング:幼小児や片眼性の場合は自覚や訴えに乏しく発見が遅れることが多い。日常生活で転倒衝突など、見えにくそうにしていて視力視野障害が疑われる場合は、早めの眼科受診が勧められる。

large◎急性散在性脳脊髄炎(ADEM)は、ミエリンに損傷を与える脳および脊髄における炎症で、短時間で広範な発作を特徴とする。 ADEMは、しばしば、ウイルス性または細菌性の感染、またはしばしば、はしか、流行性耳下腺炎、または風疹のワクチン接種に続発する。ADEMの症状は、発熱、疲労、頭痛、吐き気、嘔吐などの脳炎様症状であり、重篤な場合には痙攣や昏睡を示す。 ADEMは、典型的に白質に損傷を与え、視神経の炎症に起因する片側または両眼における視力喪失を起こし、視神経炎の合併頻度は7-12%とされる。麻痺などの神経学的症状、および自発的運動の失調を示す。 ADEMは、多発性硬化症(MS)と似ている。子供では成人よりもADEMを有する可能性が高く、MSは小児ではまれ。さらに、ADEMは、通常、単一の発作エピソードだが、MSは時間の経過とともに多くの発作を特徴とする。


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