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2017年12月3日

9401:症例から学ぶ神経眼科最新の話題 北里大学石川均教授:聴講印象録

Kitasato_University_new_Hospital症例から学ぶ神経眼科最新の話題 北里大学 石川均:聴講印象録

(第48回東京都眼科医会研修会の演題1です。2017年12月2日、京王プラザホテル)

神経眼科には①視神経、②眼球運動、③自律神経、④痛み、などの分野がある。そのうち①と②の新しい話題を取り上げて解説。

 Ⅰ:視神経

◎両眼の動眼神経麻痺のようなケース:神経、筋無力症、筋疾患と考えるが、この症例は意外にも下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)であった。プロラクチノーマは90%が手術でなくホルモン治療で治療可能。

◎ジャンクショナルスコトーマ(接合部暗点)様の視野。既往にパルス治療歴があり、抗アクアポリン4抗体陽性視神経症だった:パルスと血漿交換の適応です。

 以前は脱髄性疾患(多発硬化症MS)に含めていたものからNMOがまず分離された。

◎NMOは女性(84%)に多く、重症で、MRIは両眼(視交叉病変を持ち)で病巣が長い傾向が有る。発作回数が多い、乳頭は正常なことが多い。最終視力:手動弁以下が3割。アストロサイトを攻撃する抗アクアポリン4抗体を持つ。

◎オリゴデンドロサイトのミエリンを攻撃するMOG抗体陽性の視神経炎は乳頭発赤が多い。9割が視力0.3以上に戻る。

◎診療所での視神経炎の診察は、

1)視力0,3を割ったら紹介、2)2日に一度視力測定する、3)内服ステロイドは投与せずに、4)専門施設に紹介(腰椎穿刺とAQP4採血の為)

 

◎思い込みをしないで:4歳でクロラムフェニコール連用例の薬剤性視神経炎もあった。

Ⅱ:眼球運動の話題

サギ―アイ症候群(SES: Saggy eye syndrome:眼筋のプーリーの疾患

SESの固定内斜視は横山法で上直筋と外直筋を縫合する。白内障術後の複視でもこれが多い。前額断T2強調画像(眼筋付着部6ミリ後方)で眼筋位置のずれを探すことが有効。

 

清澤のコメント:この会の演者と演題の選択は東京都眼科医会学術部で春ごろに行いました。石川均先生は最近の話題である視神経なら抗AQP4抗体陽性視神経炎と抗MOG抗体陽性視神経炎を、眼球運動ではサギ―アイ症候群を、それぞれわかりやすくまとめてくださいました。大学等へ紹介するべき基準も的確であったと思いました。
内容は先日の神経眼科学会でも聞いた多施設トライアルなどの内容ですが、この講演では神経眼科学にも聴衆の目を向けさせていただき大変喜ばしかったです。


Categorised in: 神経眼科