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2017年9月30日

9228:エタンブトール投与を契機に発症したLeber遺伝性視神経症:論文紹介

E68A97E7B590E6A0B8E896ACE381AEE589AFE4BD9CE794A8EB投与を契機に発症したLeber遺伝性視神経症

EBは結核や非結核性抗酸菌症の標準治療に含まれ頻用される重要な薬剤です(図;http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/archive/201304-1から借用)。一方、LHONは母系遺伝形式をとり,網膜神経節細胞の特異的変性をきたして急性ないし亜急性に視力低下をきたす疾患です。患者の80~90%が男性で,発症年齢は10~20代が多く,40~50代もやや多い。頻度は英国では1/25,000程度と報告されています。多くは矯正視力が0.1 以下となりますが、光覚がなくなったり周辺部視野が欠損することはまれとされます。ところが、一見無関係なこの2つの病態が重複することがあるようです。そのような報告は、下記のレポート当時でもすでに8例あったということです。
本日は、そのような症例報告のサマリーを引用しておきましょう。
(図:)

--引用--
肺結核治療のエタンブトール投与で発症し失明に至ったLeber遺伝性視神経症の1例  張孝徳、瀬戸瑠里子、小林祐介ほか:京都市立病院呼吸器内科 (日呼吸誌 1:42-45、2012、)

要旨:59歳男性.肺結核症と診断され,エタンブトール(ethambutol:EB)を含む治療を副作用なく6ヶ月間で完了した.3ヶ月後に視力低下を認め,その後2ヶ月間で急速に進行し,ほぼ失明した.家族にLeber遺伝性視神経症(Leber’s hereditary optic neuropathy:LHON)患者が3人いることが判明し,遺伝子検索により特異的なミトコンドリアDNA変異を確認しLHONと診断した.LHONは母系遺伝形式をとる, 網膜神経節細胞の特異的変性をきたし,急性ないし亜急性に視力低下をきたす疾患である.LHONは通常若年発症であるが本症例は中高年での発症であり,過去の8例の報告例と同様にもともとミトコンドリア の異常があったが発症せず,EB投与が発症の契機となったと推測された.EBは抗酸菌治療に頻用されており,投与に際して眼疾患の家族歴聴取が重要であると考える.

キーワード:Leber遺伝性視神経症,エタンブトール,結核治療,視力低下 Leber’s hereditary optic neuropathy,Ethambutol,Treatment of tuberculosis,Visual loss
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以前の参考記事:
2012年04月22日
3261 エタンブトール視神経症 ethambutol optic neuropathy
https://www.kiyosawa.or.jp/archives/53586118.html

2012年09月07日

3621 代表的なミトコンドリア病のレーベル病(Leber’s hereditary optic neuropathy)
https://www.kiyosawa.or.jp/archives/53783756.html


Categorised in: 神経眼科