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2017年5月8日

8832:探し物が見つからないワケは……視野の特性を知ると日常生活でトクすること:記事紹介 

Greenwood JAの2017年4月10日のpnasの記事はhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28396415なのですが、

その抄録は

米国国立科学アカデミー紀要(PNAS)。 2017 Apr 25; 114(17); E3573-E3582。 著者John A Greenwood,他
Abstract:Visual sensitivity varies across the visual field in several characteristic ways.然しこの抄録内容と下のビジネスジャーナルの記事(https://biz-journal.jp/2017/05/post_19001.html)とがどう結びつくのか?その内容も残念ながら、よくわからない記事であり、論文です。

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視覚感度は、いくつかの特徴的な法則に従い、視野全域にわたって変化する。

例えば、感度は(対中心窩としての)周辺視力では急激に低下し、視野は(対下半視野としての)上半視野では通常悪い。

これらの変化は、鋭敏さおよび錯綜(物体認識に対する混乱の視力を下げる有害な影響)から、衝動性眼球運動の精度に至るプロセスに影響を及ぼす可能性がある。

ここでは、これらの変動が視覚システム内にある共通の原因に起因する可能性があるかどうかを調べる。

私たちはまず、方向性のある時計視標とそれに隣接する2つのより一般的な要素を使用して、錯綜領域のサイズを衝動性眼球運動の精度と比較した。衝動性眼球運動の精度と錯綜した視標の両方が、すべての参加者のタスク間で強い相関関係を持って、視覚野全体に亘って特異的に変化することを報告する。それにもかかわらず、グループレベルとトライアルごとの分析の両方において、2つのプロセスが共通表現を除外する解離を示すことが明らかになった。

したがって、我々は、空間的定位の2つの尺度、すなわちランドルト視標の切れ目の分解能測定および、3点2分法(three-dot bisection)との比較を行った。かなり細かい精度にもかかわらず、あらゆるタスクにおける強力な参加者間相関を伴う類似の特有な変化を観察できた。階層的回帰分析はさらに、空間的精度の変動が、錯綜と衝動性眼球運動との間の相関を含む、錯綜の変動の多くを説明することを示した。

全体として、空間的な立体関係の特有な変化を共有しながら、独立した空間表現を示す明確な解離を示し、錯綜、空間的な位置、および衝動性眼球運動の精度が示されることを示す。我々は、これらのトポロジー的な特異性は、視覚系の早期に確立され、後の段階を通して継承され、一連のより高いレベルの表現に影響を及ぼすという事を提案する。

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探し物が見つからないワケは……視野の特性を知ると日常生活でトクすること

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84607710.jpgあなたが見えやすいのはどちら?(depositphotos.com)

 有名な「木を見て森を見ず」(You can’t see the forest for the trees.)はどうやら、世界共通のことわざらしく語源は不明とか。

 井上雄彦氏の大ヒット漫画『バガボンド』(原作は吉川英治著『宮本武蔵』)の作中でも、沢庵和尚(宗彭)がその教えを引きながらこう諭している。

 「どこにも心を留めず/見るともなく全体を見る/それがどうやら…『見る』ということだ」 

 では、この心得を実際の、眼の機能に照らし合わせて考察してみると……。

 『Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)』(4月10日・オンライン)に掲載された最新の知見に、そのあたりの事情が明かされていて面白い。

 まずは、ヒトの視野の基礎知識から本題に入ろう。

 左右それぞれ100度前後あるとされる視野も、物の形や色をくっきりと判別できる注視点はわずか1~2度に過ぎない。

 その「中心視野」の周りで「ほぼ」明瞭に認識できる範囲(約4~20度)が「有効視野」と呼ばれ、それ以外の「周辺視野」では、物の形も色の判別も明瞭さに欠ける。

あなたは、右?左? どちらがが見えやすい?

 ところが、「周辺視野」は中心にない物体を見る能力に長けており、眼が焦点を合わせる前にその第一印象や全体観を掴む重要な役割を果たしているのだ。

 そして、この周辺視野がもつ能力には著しい個人差があるという報告が、英ロンドン大学(UCL)の研究主任著者、John Greenwood氏らの小研究によってまとめられた。

 12年間に渡る、さまざまな知覚テストを繰り返した結果、左側にあるものを見つけるのが得意な人もいれば、対照的に右側にあるもののほうがよく視える人もいる――との傾向が読み取れた。

 「ヒトの眼は誰でも、それぞれ独自の感受性パターンを持っており、見えにくい領域と見える領域には著しい違いがある」(Greenwood氏)

 知覚テストの一例はこうだ。被験者にはスクリーンの中心点に眼の焦点を合わせてもらい、さまざまな場所に時計の画像を表示する。

 スクリーン上に時計が1つの場合もあれば、2つの時計が隣り合って混在している場合も試された。

 その結果、多少の個人差はあるものの共通の傾向が認められた。2つの目標(時計)が眼の高さから上下に離れており、混在している画像環境下では誰もが総じて「目標探し」に困難を極めた。

 一方、時計同士が近くに表示されるほど、中心にある時計を読み取ることが難しくなる傾向も全体で共通していた。いわゆる「視覚的混雑: visual crowding」と呼ばれる現象だ。

探し物が見つからないワケは……視野の特性を知ると日常生活でトクすること

この記事のキーワード : 目,視力,視野,運転.

◎<探しものを見つける>能力にも影響

 このような周辺視野の特性は、日常生活で探しものを見つける際の能力などにも影響する、とGreenwood氏らは指摘している。

 たとえば、テーブルの上にカギが置いてあったとしよう。そのカギが眼の焦点よりも左側にあり、その横に本や書類などが混在気味で置かれてある場合、発見できなくなる人がいる。

 ところが「左側の視野が強い人であれば、カギが本の横に置かれてあっても容易に見つけられるだろう」と、研究報告は述べている。

 この周辺視野は、感光細胞の50%程度しかつながっていない。視界は鋭さに欠け、解像度は低く、細かい判別能力は劣っている。

 しかしながらヒトの視野の90%以上をカバーし、動きに敏感な能力から危険を察知する点で優れている。

◎視野の特性を知って運転すべし

 こうした周辺視野の特性について理解しておくことは、クルマを運転する人々にも役立つだろうと報告は謳う。

 たとえば、車高の高いクルマを運転した場合、低いクルマと比べると歩行者や自転車の存在に気づきにくい。

 ましてや、いつも渋滞気味の都市部のように多くの視覚的混在物があれば、なおさら発見に困難さを増す。

 クルマの死角を考慮してみれば、背後にいる(ある)人や物に気づくか/気づかないかにも周辺視野の個人差を自覚しているほうが事故防止につながるだろう。

 ところで「木を見て森を見ず」の関連語に、「熱心は悪しき召使いである」(Zeal is a bad servant.)という表現があるのをご存じだろうか。

 いかに右側の周辺視野に優れているドライバーとはいえ、左側だけではなく、右にも十分に注意しないと思わぬ事故を起こしかねない。むしろ、(過信からの)右側に気をつけろ、かもしれない。
(文=編集部)
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Categorised in: 神経眼科