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2016年10月22日

8253:三叉神経痛(今日の眼疾患治療指針 第3版)651-652

8253:三叉神経痛(今日の眼疾患治療指針 第3版)651-652

神経痛

三叉神経痛
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Trigeminal neuralgia
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清澤 源弘 清澤眼科医院・院長
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【概念】 顔や口の中など三叉神経によって支配される領域に発生する神経に原因のある痛み.三叉神経が脳幹から出たところでは,髄鞘にもともと欠損部位があり,このあたりが血管や脳腫瘍によって圧迫されると,その部分の知覚線維に過敏性が生じる.この状態のところに疼痛誘発領域からの知覚刺激が加わると,痛みの感覚に抑制が利かず,激しい痛みがその神経支配領域に放散する.これが三叉神経痛である(図21).

【病態】 脳幹部から三叉神経が出現した近くで動脈により圧迫されるために発生するものが多いが,脳腫瘍やヘルペスなど,さまざまな原因でも発生する.

【症状】 痛みは突発的な電撃痛で,持続時間が数秒程度続く.まれに持続痛の場合もある.痛みは顔面に触れるなどの行為で誘発され,歯磨き,食事などをきっかけに痛みが発生し,歯磨きや食事ができないと訴える.顔に寒風が当たるだけで痛みが誘発されることもある.頻度は10万人に4~5人,高齢者で女性に多く,通常は一側性である.三叉神経の第2枝,第3枝,第1枝の順に痛みが生ずる頻度が高く,痛みは,頬のあたり,口の周囲,口の中,顎のあたりに多いが,眼窩のこともある.痛みの誘発部位は各患者により一定で,疼痛誘発領域と呼ばれる.三叉神経によるものなので,痛みは右側あるいは左側のどちらかに発生し,正中を越えない.

【合併症・鑑別疾患】 動脈瘤の拡張に伴い眼窩深部に痛みを訴えることがある.また,副鼻腔疾患が眼窩に進展する場合に痛みを訴えることがあるので漫然と三叉神経痛と診断するのは危険である.ドライアイでも角膜の痛みとしてではなく,眼窩深部の痛みとして訴える患者がみられる.

《診断》
 臨床的特長を勘案し,必要に応じてCTないしMRIの画像診断を加えて診断する.薬物に対する反応性も診断の材料になる.

《治療法》
■治療方針
 診断確定後まず薬物療法を試み,この段階でペインクリニックへの紹介も考える.難治性のものには神経ブロックや手術的治療法もあるので,適切な時期に専門医への紹介も考慮する.

■治療
 薬物としては抗てんかん薬のカルバマゼピン(テグレトール®)が有効.服用でめまいを生じることがある.無効な場合や治療中にその効果が弱まる場合には,高周波熱凝固や神経ブロックなども行われる.原因が血管による圧迫の場合には頭蓋内微小血管減圧術 (Jannettaの手術)も考慮される.これは三叉神経を圧迫している上小脳動脈や前下小脳動脈と三叉神経の間にテフロン綿などを挟み,圧迫を取り除く目的で行われ,血管の圧迫により発生する三叉神経痛に関しては手術治療効果が期待できる.

〈処方例〉
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テグレトール錠(200mg) 1日1錠 分2.3日ごとに200mg増量し,通常600mg/日 分3で維持
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【予後】 手術治療でも約20%に再発がみられることがあるが,おおむね薬剤を併用してコントロールすることが可能である.

今日の眼疾患治療指針
清澤のコメント:頭蓋内微小血管減圧術 (Jannettaの手術)も考慮されるに単語を修正の付記があり2015.5.5再提出ですから、原稿の提出から出版まで早くも1年半を経ています。前の第2版は2007年でした。記事の版権は医学書院に属します。本を入手して他の単語もお調べください。
ビジュアルな紙面構成、632項目を250人で執筆、簡潔な表示。最新情報というのが表紙帯のうたい文句です。表紙写真はまだAMAZONにも、出版社のHPにも出てはいません。

Categorised in: 神経眼科