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2016年8月3日

8024:神経眼科のみかた 毛塚剛司先生:聴講録

浦安ブライトンホテル第4回順天堂大学浦安眼科サマーセミナー特別講演Ⅰの聴講録です:

特別講演Ⅰ
神経眼科のみかたー日常見られる疾患の診断から最先端治療までー 
東京医科大学 毛塚剛司

清澤のコメント:
 多数の症例を提示しつつ、緻密に一つづつのコメントを加えてゆくスタイルの御講演が印象的でした。話の中では、同じことは繰り返さないので、話に付いてゆくには忙しい印象でした。

 毛塚先生は難治性視神経炎の領域で優れた業績を上げて居られる神経眼科領域の新しい世代のホープです。近年AAO(米国眼科学会)の年次総会でも優秀賞を得ておられるそうで、今回のお話もOphthalmology誌にご投稿中とのことでした。

 私は現在、東京医科歯科大学でも神経内科お任せで、血漿交換の指示を直接は出していませんので、講演会場では、「血漿交換を行う場合の実際のハンドリングはどうしておられるのか?」と質問させていただきました。

 お答えは、「同様の処置にも数種類あるのだが、神経内科と腎臓内科のカンファレンスでその施行の種別や回数の実際が決定され、実際には腎臓内科で行われる。神経内科の視機能に対する評価は、正常、やや低下、大いに低下という位で、眼科のそれよりもアバウトなので、血漿交換には眼科も積極的に関与するようにしている」という事でした。

 また、現在私たちの臨床検査では欠落している特殊な抗体検査を某他大学に依頼する具体的な手続きを、後日個別にお教え願う様に依頼することとしました。

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◎ 神経眼科領域は眼科の中でも特殊な分野で有るが、きちんと手順を踏めば、正しい診断、適切な治療に結び付けることが可能。

 日常見られる疾患の治療から難治性視神経疾患に対する血液浄化療法などについても解説。

 日本神経眼科学会主導で難治性視神経炎に対する血清免疫学的な診断分類を行うための研究班の進捗状況も話された。

○視神経脊髄炎は特発性視神経炎に比べると頻度が少なく,難治性となりやすい.近年,抗aquapolin 4(AQP4)抗体と視神経脊髄炎との関係性が明らかにされ,治療への道筋が徐々に解明されつつある。

○抗AQP4抗体陽性視神経炎は,急激な発症であり,一般的にステロイド抵抗性で,多彩な視野変化をきたす.また,抗AQP4抗体陽性視神経炎ではグリア細胞の1種であるアストロサイトが標的細胞となり,男女比が1:9で女性に多い.

○一方,抗Myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体陽性視神経炎はオリゴデンドロサイトが標的細胞となり,抗AQP4抗体陽性視神経炎と同様,視神経から視交叉,視索にかけて障害が起きやすい.このため,抗MOG抗体陽性視神経炎は抗AQP4抗体陽性視神経炎とよく似た視野変化を示す.

 抗MOG抗体陽性視神経炎の予後は比較的良好だが,ステロイド大量療法に対して反応が悪いことがあり,再発しやすい.抗AQP4抗体陽性,もしくは抗MOG 抗体陽性視神経炎の両者とも,治療法はまずステロイドパルス療法を始めに行うが,抵抗性の場合は血漿交換療法や免疫吸着療法,免疫グロブリン大量療法などを行う。
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追記:聴講中のメモを紛失してしまいましたので、この聴講印象記は会場で配布された講演要旨と、別のネット記事を参考に要点を再現してみました。

Categorised in: 神経眼科