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2018年10月8日

10176:(旧7968):Adie 症候群(アディー症候群)

アディ―症候群に関してはこの記事の方が詳しいです。良く検索されるので再度補筆しました。( 初回:2016年7月19日 8:17 PM、2018.10.8修正 )

[からだの質問箱]瞳孔開いたまま アディー症候群か

 瞳孔が開いたままになり、病院から「原因は分からず、治療法もないので様子を見てください」と言われています。脳外科では「アディー症候群」ではないかと言われました。時々、目が痛くて開けられない状態になります。このまま治療しなくてもよいでしょうか。(70歳女性)痛み伴うなら別の病気の可能性

◇清澤源弘(もとひろ) 清澤眼科医院院長(東京都江東区) 瞳の中心にある瞳孔は暗いと…

上の文章は、読売新聞の7月17日の記事の一部です。

さて、アディー症候群に関するわたくしの以前の記事はこちらです

67 Adie 症候群(アディー症候群)

adie

Adie症候群(アディーしょうこうぐん)(図の出典)(注:この図の出典は既に存在してはおりません。)

突然片目のピントが合わなくなって、それと同時に光がまぶしくてたまらなくなる疾患にアディーの緊張性瞳孔があります。

アディー症候群と同様の症状は、(眼科を受診した患者さんに眼底検査を行うために使う)ミドリンP点眼液を片眼につけても起こすことができます。

このアディー症候群が回復するだろうかと言う質問を寄せられた患者さんがありましたのでこの疾患アディー症候群に関する眼科としての説明をいたします。

1、この疾患(アディー緊張性瞳孔)は眼球内の筋肉が麻痺する疾患で、特に原因が特になくおきるものです。それ以上に悪いことは普通はおきません。

2、アディー緊張性瞳孔の80%は片眼におきますが、1年に4%の割合で反対側にも症状が現れ、その場合には両眼性の疾患になります。

3、アディー緊張性瞳孔は女性に多く、患者の70%が女性です。

4、アディー緊張性瞳孔は若い成人つまり20~40歳に多く見られます。

5、アディー緊張性瞳孔は瞳孔が大きく開き、(眼に光を当てたときに瞳が小さくなる)対光反応が消失します。

6、しかし、近くをじっくりと見つめさせると、瞳孔がゆっくりと収縮し(縮瞳)、この努力をとめるとゆっくりと散瞳状態に戻ります。

7、アディー緊張性瞳孔のほとんどの症例が調節の不完全な麻痺を起こして、遠くが見える眼鏡をかけた状態での近くのものに焦点を合わす機能(これを調節機能という)が障害されます。しかし、この症状は普通数ヶ月で消失します。

8、アディー緊張性瞳孔の虹彩括約筋は全体が麻痺するのではなく、区画性の麻痺を示します。

9、通常は反応を示さない0.125%の弱いピロカルピンの点眼に対して、瞳孔が縮む反応を示し、これが縮瞳剤への過敏性の獲得と言われます。(この特徴はAdie緊張瞳孔の診断に用いられます)

10、緊張性瞳孔の原因はほとんどの症例で不明ですが、免疫に関連した疾患などを背景に持つこともあります。障害部位は毛様体神経節または短後毛様体神経にあります。

11、この瞳孔異常反応(アディー緊張性瞳孔)が深部腱反射の消失したケースに合併して起きれば、Adie症候群(アディーしょうこうぐん)と呼ばれます。

と言うわけで、この疾患が起きてまぶしくてて困ると言われれば0.125%程度のピロカルピンを処方してまぶしさを抑え、片目だけですが近くを見るのに困ると言われれば老眼鏡を片眼だけにあわせると言った対症的な対応を行います。

瞳孔が開いてまぶしいと言う症状はこの緊張性瞳孔のほかに、脳の動脈瘤や脳腫瘍などに伴って起こることがある動眼神経麻痺でも見られることがあります。

この場合には多くの症例では侵された側の瞼が下がったり、眼球の動きが悪くなって両眼で見たときの複視が強く出たり、患眼に眼瞼下垂が現れるので区別できる場合が多いのですが、重篤な疾患を見逃すと命にかかわる場合もありますので、早急にしっかりとした診断を受けてください。

治療上でもっとも重要なのは、アディー症候群が回復しうるものであるかと言う点ではなく、それが本当にアディー緊張性瞳孔であるかどうか?、加療すべき基礎疾患がないか?という点にあると思います。

新潟大学高木先生のHPもやや専門的ですが詳しく正しい記載です。(⇒リンク:注:このページも高木先生が他界されて、既に存在しません

この中には伴い得る全身疾患の報告として:
糖尿病 アルコール中毒 梅毒 脊髄小脳変性症 SLE シェーグレン症候群
Fisher症候群 全身性アミロイドーシス 腫瘍随伴症候群が挙げられています。これらも注意すべきものでしょう。

追記:7932;Ross Syndromeに伴う両側の緊張性瞳孔:⇒リンク最近書きました記事です。これもこの記事に関連のあるものです。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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Categorised in: 神経眼科