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2016年2月27日

7513:コロイデレミアのための遺伝子治療:と言う記事紹介

コロイデレミア(先天性脈絡膜欠如)について至急知りたいという問い合わせをいただきました。

まず最初に

眼科医清澤の解説とコメントから
:網膜色素変性として知られている一群の遺伝性網膜変性疾患のうち、脈絡膜の変性が強くて、特徴的な眼底所見や遺伝形式からも従来から単一の疾患として認められていたのがコロイデレミアでした。数年前にその原因遺伝子が見つかりました。

 その正しい遺伝子をウイルス性のベクターをもちいて眼球内に注射すると、ウイルスの力で正しい遺伝子が患者の網膜細胞内に入って、病気が多少なりと治療できるという研究の図式のようです。

 このようなお金を生むことのない研究(新薬の開発ではない!)では、研究者が研究費を得ることが大変困難ですから、一般社会に注目してもらい、寄付金が集まる環境を作る事には大きな意味があります。
 
 今回の東京マラソンに、この疾患の患者さんが出走し、それをアピールするとすれば、そのような意味があるという事でしょう。

 2007年には見つかっていなかった遺伝子がすでに確定され(下記1)、昨年までにはすでに臨床研究の対象になっていたのですね。(下記2およびこの記事です)

当ブログ内の以前の関連記事:

1)2007年04月09日 316,コロイデレミア choroideremia (無理に訳せば 先天性脈絡膜欠如)⇒https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50757724.html

2)2014年07月12日 コロイデレミアchoroideremia患者のレチナール遺伝子治療Retinal gene therapy in patients with choroideremia リンク⇒https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54175542.html   ----
それでは、コロイデレミアのための遺伝子治療:と言う記事の概要を紹介してみましょう。⇒記事全文にリンク

3)2016年2月26日 この記事

先天性脈絡膜欠如とは?

先天性脈絡膜欠如は、殆ど男性だけに起きる失明の原因となる遺伝疾患です。この疾患は、X染色体上に位置しているCHM遺伝子の欠陥によって引き起こされます。女性は、二つのX染色体を持っているので、一つのX染色体上の正常なCHM遺伝子は、ある程度他のX染色体上の欠陥CHM遺伝子を補うことができます。しかし男性は、一つのX染色体だけを持つので変化した遺伝子を持つと発症します。

CHM遺伝子は、(カメラのフィルムのような)感光層である網膜を構成する細胞の代謝に重要な役割を果たしているラブ・エスコートタンパク質1(REP1)と呼ばれる特殊なタンパク質をコードしています。 網膜細胞におけるREP1の欠損は、網膜障害と、その結果としての進行性網膜変性、そして網膜の萎縮を起こします。先天性脈絡膜欠損では、視力は次第に悪化し、求心性視野欠損(トンネル視野)をもたらします。こうして、周辺視野が徐々に失われ、これに続いて思春期には「夜盲症」(暗い所で見えない症状)が始まります。 最終的には、中心視野までも30歳台または40歳代に失われます。

先天性脈絡膜欠如のための遺伝子治療

現在、先天性脈絡膜欠損に利用可能で有効な治療法はありません。この記事の著者らは進行を遅らせ、あるいは変性を停止させるのを助けることができると考えている遺伝子治療の新しい技術を開発しました。それは、新しい技術で網膜が正常に機能するために、それらを助けるために網膜の細胞に正常な遺伝子を入れる技術を含みます。
これを行うためには、安全に眼を傷つけることなく網膜細胞に正常な遺伝子を与える事ができるように、通常の遺伝子を運ぶベクターを使用する必要があります。

我々が使用するベクターは、非病原性であるウイルス(AAV)として知られている小さなウイルスです(このウイルスは、人間に疾患を引き起こさないものです)。 AAV血清型2(AAV2)は、網膜細胞に入る時に特に効果的であるので、AAV株のこの特定の株は、我々のREP1遺伝子置換療法のためのベクターとして使用されます。

AAV2.REP1として知られている私たちの遺伝子治療ベクターを投与するためには、まず目の内部のゼリーである硝子体を、硝子体切除によって除去しなければなりません。 この手術は非常に安全に行えます。眼内の透明な硝子体は徐々に手術後数週間で体により復元されます。

硝子体切除した後、AAV2.REP1ベクターを含む少量の液体で、網膜の下に小さな液体で満たされた水疱を作成するために、人間の髪の毛よりも細い針を介して網膜下に注入されます。 この小さな網膜剥離領域は一時的なものであり、液体がゆっくりと網膜に吸収されて、約24時間かけて水疱は消えます。 この種の手術は、通常、約一時間かかり、その手術手技自体は、網膜剥離などの状態の患者の治療に日常的にもちいられています。

第1および第2相臨床試験

2011年11月24日に、ジョナサン・ワイアットはオックスフォードのジョン・ラドクリフ病院でこの手術を行いました。ロバート・マクラーレン教授が先天性脈絡膜欠損の遺伝子治療する世界で最初の人となった。すでに15人の先天性脈絡膜欠如患者が2015年末までに治療を受けています。

この第1および第2相臨床試験は、低および標準のウイルスベクター用量で、先天性脈絡膜欠如治療の安全性と有効性をテストするために計画されました。 最初に発表された Lancet誌 2014年1月号には、非常に有望だった結果が公表されました。ウイルスベクターの低用量で処置された最初の6人の患者は、治療後の薄明かりの6ヶ月で、自分の視力改善を示し、標準的な視力表の複数のラインを読み取ることができました。

今後の第2相臨床試験
30人の患者が、ウイルスベクターの標準用量で処置される第2相臨床試験のための資金が得られています。 第2相臨床試験は、オックスフォードのジョン・ラドクリフ病院とロンドンのMoorfields眼科で2015年9月に開始する予定です。

現在までの進捗状況

このプロジェクトの目標は、先天性脈絡膜欠如のための遺伝子治療法の安全性を評価することです。

Categorised in: 神経眼科