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2012年7月22日

3501 眼の誕生:を読みました

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眼の誕生
―― カンブリア紀大進化の謎を解く
アンドリュー・パーカー 著 /渡辺政隆 訳 /今西康子 訳

5億4300万年前、なぜ生物は、突如、爆発的に進化したのか? 画期的な新説で、生命史上最大の出来事の謎に迫る。地球最初の眼から始まる壮大な進化の真実。

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定価 2,310円(本体2,200円) 判型 四六判 384頁

初版刊行日 2006年03月03日

原書タイトル IN THE BLINK OF AN EYE

アンドリュー・パーカー
1967年、英国生まれ。オーストラリア博物館研究員を経て、1999年から英国ロイヤルソサエティ大学特別研究員としてオクスフォード大学動物学科の研究リーダーに就任。2005年からは英国自然史博物館動物学研究部研究リーダー。2005年、2冊目の著書 Seven Deadly Colours: The Genius of Nature’s Palette and How It Eluded Darwin (Free Press) を出版。

ーーー本書の概要ーーー
第1章 進化のビッグバン
カンブリア紀に生物は大進化を遂げたのだが、その爆発的な進化の原因は明らかのはされていなかった。カンブリア紀のパージェス化石にその答えが有る。

第2章 化石に生命を吹き込む
古生物学者は、3億5000万年前の化石(化石=fossil)に硬骨魚の化石が有り、5億年前の化石にそれが無ければその時代には硬骨魚は存在しなかったと結論するしかない。

第3章 光明
異なる色の絵具をパレットで混ぜてしまわずに、点描する技法は、19世紀末のフランス印象画派の画家たちが好んで用いた手法である。このような手法を用いて、生物は彩色をしている。その目的はカムフラージュと自己顕示である。

第4章 夜のとばりにつつまれて
自然界の多くの動物に共通してみられる主要な感覚は嗅覚と味覚、視覚、聴覚、そして触覚。所が夜間には特殊な刺激が重要な意味を持つ。それは、光と同じように空いてはそれを避けられないという強みを持つ刺激である。深海など光がほんのわずかしかない環境では生物の進化は遅い。

第5章 光、時間、進化
蟹は音を捨てて光を取った。その様な進化が繰り返された結果、海生生物としてはそれまでにない、豪華な虹色をした蟹が地球上に現れるようになった。甲虫の色は色素食ではなくて、解析格子に因る構造色である。

第6章 カンブリア紀に色彩はあったか
色素色と構造色が有る。カンブリア紀の三葉中にはピンクの色素の痕跡がある。構造色も光源を必要とし、日光の光を受けて、そこから特定の波長すなわち「色」を反射させるのだ。構造色ならば化石に記録されている可能性がある。比較的新しい化石がオパール状に色を放つのは元の回折格子が水や珪素などに置き換わって維持されているからだけれども、化石が虹色を放つという事は元の生物がその虹色であったという意味ではない。

第7章 眼の謎を読み解く

ダ-ウィンに依れば、眼は完璧にして複雑極まりない器官である。が、眼は見ると言う行為の第一幕に過ぎない。第2幕で視覚情報が電気信号として眼から脳に伝達され、第3幕で脳で像が結ばれて視覚を得るには眼と脳の両方が必要。見るための光の入り口、先ずはクモなどに有る単眼。これには眼窩、反射眼、カメラ眼が有る。そして昆虫などの複眼。複眼には光の取り入れユニットが複数あり、必ず「個眼」と呼ばれる多数の個別ユニットで構成される。重複像眼では数百のレンズと網膜は大きく離れ、角膜がレンズを構成しているが、個々のレンズが別々の倒立像を結ぶわけではなく全体で一つの正立像を結ぶ。このほかにも複眼には種々の機構がある。

パージェス動物群のメンバー中最強のアノマロカリスにはそれまでの生物にはない頭部の両側から出たボタンの様な眼がある。また同時代のワプティアの眼は有柄眼で眼だけでも動かせる。調べるとこのワプティアの眼は現生甲殻類の眼とそっくりだった。

カンブリア紀のもう少し古い時代の生物に、眼はあったのか?カンブリア紀の節足動物の眼は動体の下側から上側へと位置を移し、やがて腹部を覆う甲冑ないし殻に組み込まれていったと考えられる。

この時代の脊索動物には眼が無い。そうであれば、脊索動物には甲殻類とは別に眼の起源が有ったこととなる。魚類などにみられる「カメラ眼」の完成には364000世代を要したはずという説がある。

第8章 殺戮本能と眼
(今日は此処まで 読書進行中)

第9章 生命史の大疑問への解答

第10章 では、なぜ眼は生まれたのか
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清澤のコメント:
2011年12月09日に2881 アノマロカリス:古代の海に生きたアノマロカリス、優れた複眼で生物の頂点に君臨(この記事にリンク):の記事ですと言うのをこのブログで取り上げていました。今回はネット上でこの本を見つけて眼に関連した話題として読み、紹介してみました。カンブリア大爆発は眼の発生がその大発展の原因であったという画期的な説のようです。

テレビに「カンブリア宮殿」と言う番組が有ります。何のことかと思っていましたが、ホームページを見ますと、このカンブリア紀に地球上の生物が大爆発的な進化を遂げたことにちなんで、平成時代が日本の経済界におけるカンブリア大爆発期になってほしいという意味で名付けた番組だったようです。

Categorised in: 神経眼科