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2012年5月18日

3328 半盲の患者の脳内アデノシンA1受容体の変化

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うれしい便りが届きました。半盲の患者さんの脳の中でのアデノシンA1受容体の変化を調べる臨床研究が東京都健康長寿研究所で行われていたのですが、その成果をまとめた論文がアクセプトされたというメールが先ほど著者の鈴木幸久講師から届きました。

Suzuki Y, Nariai T, Kiyosawa M, Mochizuki M, Kimura Y, Oda K, Ishii K, Ishiwata K. Increased adenosine A1 receptor levels in hemianopia patients after cerebral injury: an application of PET using 11C-8-dicyclopropylmethyl-1-methyl-3-propylxanthine. Clin Nucl Med. (in press).

此の話もかなりマニアックな話なので、通常の眼科雑誌ではその有用性が認めてもらえず、投稿には苦労したようですがインパクトファクター3.766の雑誌ですから自画自賛ではありますが鈴木先生他共著者の努力に感謝します

データ追加:2019.10.2

Clin Nucl Med. 2012 Dec;37(12):1146-51. doi: 10.1097/RLU.0b013e31826392a7.
Increased adenosine A1 receptor levels in hemianopia patients after cerebral injury: an application of PET using 11C-8-dicyclopropylmethyl-1-methyl-3-propylxanthine.
Suzuki Y1, Nariai T, Kiyosawa M, Mochizuki M, Kimura Y, Oda K, Ishii K, Ishiwata K.

脳損傷後の半盲患者のアデノシンA1受容体レベルの増加:11C-8-ジシクロプロピルメチル-1-メチル-3-プロピルキサンチンを使用したPETの適用。

抄録:
目的:
この研究の目的は、脳損傷による半盲の患者に、アデノシンA1受容体(A1R)の放射性リガンドであるC-8-ジシクロプロピルメチル-1-メチル-3-プロピルキサンチン(MPDX)を用いたポジトロン放射断層撮影(PET)を適用することでした脳の神経修復メカニズムを研究します。

患者と方法:
同名の半盲の4人の患者と15人の健康な被験者を、PETを使用して脳グルコース代謝、C-フルマゼニル(FMZ)の中央ベンゾジアゼピン受容体への結合、MPDXのA1Rへの結合を測定しました。左右の関心領域(ROI)が選択され、3種類のPET検査に関する半定量的なデータが得られました。 ROIは、対側半球の相同領域のデータを使用して参照されました[同側/対側(I / C)比]。

結果:
脳グルコース代謝とFMZ結合のI / C比は、すべての患者で一次視覚野(PVC)と視覚関連皮質で低かったが、MPDX結合は患者1と2のPVCで増加した。患者1と2は 1年後の視野で改善を経験した。。他の2人の患者は変化を示さなかった。回復した患者では、PVCの損傷部分のA1RへのMPDX結合の増加が観察されました。

結論:
MPDX-PETによるA1Rの評価は、予後を予測し、脳の器質的損傷によって引き起こされる半盲の代償および再編成プロセスを理解するのに役立ちます。

Categorised in: 神経眼科