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2010年8月27日

1623 眼窩吹き抜け骨折の抄録です。

吹き抜け骨折
眼窩吹き抜け骨折の症例をまとめてその特徴を考察した抄録を第48回日本神経眼科学会総会に提出しました。

題名:[眼窩骨折症例の検討]
氏名:秋山 友紀子1、江本 博文1,2、清澤源弘1,2
所属:清澤眼科医院1、東京医科歯科大学 眼科2)

【目的】
眼窩骨折は眼窩部の打撲に伴う骨折で、一般の眼科診療ではその頻度は少ないが、その手術適応や時期は早期に臨床医において判断されなければならないものである。しかし現在のところエビデンスと言える報告はない。過去2年間に我々が経験した眼窩骨折について経過と予後を検討した。
【対象・方法】
平成20年7月から平成22年8月に我々が診察した患者のうち、眼窩骨折と診断された患者23例、24眼について診療録を元にその治療の現状を回顧的に検討した。
【結果・結論】
眼窩骨折患者は男性19例、女性4例で、年齢は6歳から59歳、平均年齢は34歳であった。男性が83%を占め、受傷眼は右眼 11例、左眼 11例、両眼1例であった。画像上確認できた骨折部位は下壁が14例 (61%)、内壁が5例(22%)、混合型が2例 (9%)、2例(9%)は骨折部位不明であった。受傷原因は、スポーツ8例、転倒と飲酒4例、傷害事件6例であった。当院受診前に7例(30%)は手術が施行されており、3例(13%)は当院受診後に手術が施行された。13例(57%)では手術がなされなかった。受傷から受診までの期間は、1週間未満 6例 (27%)、1週間~1年未満が8例(33%)、1年以上は7例(32%)であった。複視の訴えが強い症例は43%(10/23例)あり、複数の施設で眼窩形成術が施行されていた例もあった。手術施行例でも、33%ではHESS 上の改善が得られていなかった。
当院ではインターネットに情報を公表した事も原因で、受傷から長期経過後、他院を受診後にセカンドオピニオン目的で受診した例が57%と多かった。眼窩骨折では手術しても満足する結果が得られない場合があるが、一般的予後を踏まえ、疾患に対する十分な理解を得ながら診療を進めることが重要である。
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清澤のコメント:
おかげさまで多数の吹き抜け骨折の患者さんを診察させていただきました。私は、開業医としては十分に多い患者さんの数であったと自負しています。患者さんをただ診察して適切な助言と手術のための紹介をするだけではなく、その流れを見てみようとまとめてみてもらいました。教科書レベルを超える内容ではありませんが、この疾患の特徴が見えていると思います。先日の東京神経眼科勉強会の演題を拡充したものです。

2010年03月03日
1310 眼窩底骨折 眼窩吹き抜け骨折(⇒リンク)もご覧ください

Categorised in: 神経眼科