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2021年7月31日

13018:アイフレイルと栄養 (京都大学眼科 辻川明孝教授)の記事紹介です

清澤のコメント:先日、日本眼科学会誌から眼科戦略会議がアイフレイルに着目し国民の視機能維持を図っているという記事を見ました。(末尾に引用リンク)  講談社ムック「食と医療」の編集者との雑談でその話を紹介したところ、この特集にという事で、さっそく辻川先生に記事の依頼がなされ、この記事掲載が実現しました。アイフレイルがさらに注目されることに期待して居ります。

(食と医療 2021 SUMMER-FALL Vol.18 特集 高齢者の健康と栄養 から抄出して紹介します)

緒言:アイフレイルとは加齢に伴って視機能が低下した状態を示す新しい概念。高度な視機能障害の原因は殆どが高齢者の慢性疾患。早期の無症状状態から、徐々に視機能障害が進行してゆく。この様な高度の視覚障害に至る前の状態がアイフレイル。アイフレイルを早期に発見することで、適切な介入が可能となり、機能回復と進行遅延が期待できる。アイフレイルの原因には食事や栄養素が深くかかわる疾患が多い。バランスの取れた、規則正しい食事を心がけ、一生涯にわたる良好な視機能を維持したい。

1, フレイル対策:超高齢社会に突入している。健康寿命と平均寿命には約10年の差がある。フレイルという概念:「加齢に伴う様々な臓器の機能変化や恒常性・予備能力低下によって外的ストレスからの健康障害に対する脆弱が増加した状態」をさす。健康状態と要介護状態の中間として位置づけられるが、自立障害や健康障害を招きやすい状態。フレイルを持った高齢者では、要介護状態、転倒、施設入所に至るリスクが高く、死亡に至る割合も高い。身体的フレイル以外に、認知的フレイル、社会的フレイル、オーラルフレイルなど様々なフレイルが重なる。適切な介入で、可逆性を示す。フレイル対策には食事が重要。

2, アイフレイル対策の重要性:外界からの情報の80%以上を眼から取り入れて居る。「アイフレイル」:加齢に伴って眼の脆弱性が増加している状態に、様々な外的・内的要因が加わることによって、視機能が低下した状態」を指す「アイフレイル」という概念を日本眼科学会が提唱。高度な視覚障害に至った人の62.5%が70歳以上と、大部分が高齢者。原因は、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、白内障など徐々に進行する病気。アイフレイルは、身体的フレイルの一要素で、健康寿命を短縮させる。良い方の視力が0.5未満の人は、ADLや社会活動が優位に低下し、視力障害・コントラスト感度低下は転倒・大腿骨頭骨折との関連も示す。腰痛症(13.27%)、関節症に次ぎ眼の病気(6.39%)は日常生活制限への人口寄与危険割合が高い。内的要因に食事は大きく寄与。原因を考えて、対策を検討することが重要。プレフレイルという状態もある。

3, アイフレイルと栄養:視力低下の原因は慢性疾患

3-1,糖尿病網膜症:糖尿病は世界で急速に増加。長らく失明原因の第一位だったが、内科の血糖コントロール改善と手術手技等の向上等で近年減少。現在は黄斑浮腫が問題。発症の危険因子はヘモグロビンA1c、血圧、ボディーマスインデクス、罹病期間。適切な食事が大切。

3-2, 加齢黄斑変性(AMD):滲出型AMDは抗血管内皮増殖因子の開発で治療可能となった。前駆病変はドルーゼンで、サプリメントが推奨される。抗酸化ビタミンと亜鉛摂取で進行リスクが抑制される。喫煙と食事の欧米化の影響が大きい。

3-3, ビタミンA欠乏症:ビタミンAは視サイクルの中心的役割で食事から摂取する必要がある。βカロチンはプロビタミンA。欠乏は夜盲、角膜病変を生ずる。

4,まとめ:高度な視覚障害の原因は殆どが慢性疾患。高度な視覚障害に至る前の状態がアイフレイル。アイフレイルを早期に発見し適切な介入で視機能回復を期待する。バランスの取れた規則正しい食事を心がけ、良好な視機能を維持したい。 

Categorised in: 全身病と眼