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2021年7月22日

13003:コロナ肺炎、重症化の犯人「サイトカインストーム」の仕組みと発生しやすい人」日刊ゲンダイの記事紹介です

清澤のコメント:コロナ感染症の重症化はサイトカインストームで起きているのですね。そういえば最近聞いた視神経炎治療の話の中にもインターロイキン6の阻害剤サトリズマブという薬剤が出てきていたことを思い出しました。コロナ感染がどんな人で重症化しやすいかを論じています。

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新型コロナ 重症化を防ぐ最新知識

重症化の犯人「サイトカインストーム」の仕組みと発生しやすい人

英国の感染者数は増加傾向(ロンドン朝の通勤風景)/

英国の感染者数は増加傾向(ロンドン朝の通勤風景)/(C)ロイター

 新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高いのは高齢者、糖尿病や慢性腎症など持病のある人、さらには肥満、喫煙、睡眠不足、精神的ストレスなど悪い生活習慣を持っている人だといわれる。

 実際、30代に比べて65歳以上では重症化リスクは5倍、死亡リスクは90倍になるといわれている。2型糖尿病の重症化リスクは2.3倍である。なぜか? 新型コロナウイルス感染症の重症化は免疫の暴走によるサイトカインストームが一因で、こうした人はサイトカインストームを起こしやすいからだ。

 そもそもサイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質を主成分とする物質のこと。細胞同士の情報を伝達し、免疫細胞を活性化したり、抑制したりする働きがある。

 私たちの健康は侵入した外敵を排除するために免疫反応を促す炎症性サイトカインと、それが行き過ぎないよう抑制する抗炎症性サイトカインの程よいバランスによって保たれている。

 ところが何かのキッカケで、そのバランスが崩れて炎症性サイトカインが過剰に分泌されると、次々に炎症反応が起こる場合がある。その結果、自分の細胞までもを傷つけてしまう。それがサイトカインストームだ。

 サイトカインストームが起きると、発熱や全身の倦怠感が過剰に起きて全身状態が悪化するほか、血液凝固システムに異常が起きて血栓症、脳梗塞や肺塞栓症などを起こす

 現在、サイトカインストームはT細胞由来の炎症性サイトカインのひとつ、インターロイキン6(IL-6)とその増殖回路(IL-6アンプ)が活性化することで起きるといわれている

 実際、新型コロナウイルス感染症の重症患者ではIL-6などの炎症性サイトカインの血中濃度が高まる一方で、抗炎症性サイトカインであるⅠ型インターフェロンなどが低濃度になることが報告されている。

 英国では新型コロナウイルス感染症の重症患者800人を対象に比較試験を行い、人工呼吸器を装着して24時間以内にIL-6の作用を抑えて炎症を防ぐ薬を与えると、死亡リスクで24%、入院期間で7~8日短縮に成功したことが明らかになっている。これらのことからサイトカインストームはIL-6が大きく関与している可能性が高いとされている。

 つまり、鼻や喉の奥で新型コロナウイルスが感染した後、肺に感染が始まるタイミングでIL-6アンプが活性化し、さまざまな炎症性サイトカインが産生される。やがて血管などを介して各臓器に感染拡大すると共にそれぞれのIL-6アンプが活性化して、全身に重篤な状態が誘導されるというわけだ。

■腸内細菌叢や生活の乱れとの関係

 高齢者の場合は、これにウイルス感染や腫瘍の排除に働く、ある種のT細胞の活性化が炎症性サイトカインの産生に拍車をかけるといわれている。このT細胞は通常の風邪コロナウイルスに対しても反応するため、その記憶が多く蓄積されている高齢者の場合、より大量のサイトカインが産生されるからだ。

 また、糖尿病などの持病のある人や喫煙や偏食の人などは、もともと炎症が誘導されやすい状態にあると考えられる。

 香港の研究チームが軽症から重症までの感染者100人と、感染していない78人から採取した便を分析したところ、腸内の微生物と量に明確な違いがあることを確認。重症者は軽症者に比べて腸内細菌叢のバランスがより大きく崩れており、いわゆる善玉菌が少ないほど血液中に炎症性サイトカインの量が多かったとの報告もある。

 T細胞の中には、腸の粘膜に多数存在し、感染早期の防御機構を担っているものがあるから、食の乱れもサイトカインストームに大いに関係している可能性がある。重症化を避けるには、まず生活を改めることだ。

Categorised in: 全身病と眼