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2021年4月16日

12790:「コロナ禍における糖尿病治療の工夫:COVID-19感染症と糖尿病の関連性」船山秀昭先生記事紹介です

清澤のコメント:区東部糖尿病医療連携ニュース:つながるの27号に「コロナ禍における糖尿病治療の工夫:COVID-19感染症と糖尿病の関連性」という船山秀昭先生の書かれた記事が掲載されています。有用な記事と思いますので要点を採録いたします。

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船山内科 院長 船山秀昭委員

コロナ禍における糖尿病治療の工夫

COVID‐19感染症と糖尿病との関連性

患者さんの不安の一つは糖尿病があるとCOVID-19に罹りやすいとの報道あるが、中国や米国のデータから糖尿病患者群と一般人口のCOVID-19有病率に差がないことが示されている (図1)。

しかし、米国のデータでは糖尿病があるとCOVID-19は重症化しやすいとされ (図 2)、さらには中国から血糖コントロール不良群ではより死亡率が高まるという報告がある (図 3)。

これらの結果から、血糖コントロールを改善することは COVID-19の重症化を防ぐ上で重要であり、また COVID-19に 感染した場合は速やかに血糖値を下げることを示唆している。

糖尿病:に対する「ステイホーム」の評値

「ステイホーム」高遵守群

・家庭内感染は別として、外出による感染の機会は減少する。

・自宅での食事が多くなったため血糖コントロール改善した例は少数ながらみられるが、全体としては体重増加や血糖悪化例が多くなっている印象である。肥満症ともなれば、インスリン抵抗性による感染症への耐性低下、また高血糖により免疫細胞の機能低下をきたし重症化を招く。

・運動不足|こ よるlocomo/frailが進行する。

・受診を控える結果、血糖コントロール悪化に加え重大疾患の見落としに繋がる。

「ステイホーム」低遵守群

・外出により運動機能や血糖値は改善するが COVID-19への暴露機会は増加する。大量暴露では感染発生は避けがたいが、行動変容により暴露を最小限にすることは可能である。

・太陽光は紫外線のマイナスの面が強調されているが、ビタミンD生成による免疫力向上、そしてセロトニン・メラトニン分泌 による感情や気分を安定化させるプラスの面も知られており、これらはいずれも糖代謝に影響を与える。

糖尿病診療の工夫

・受診抑制の原因である感染リスクに対する不安を払拭させるには、患者が納得する方法をもって伝えることが必要である:。それには一般的な感染対策に加えてオゾン発生装置や人体に無害な紫外線ライトなどの空気清浄機の設置が安心感を与えるようである。

・糖尿病のコントロール状況にもよるが、やむを得ず処方日数を2か月、また遠方通院者・高齢者では最大3カ月とすることもある。:

・電話やオンラインによる注射薬/SMBGセンサーの処方は原則的にかかりつけ医/薬局が望ましい。なぜなら、かかりつけ薬局以外に処方箋を送付する場合、従来から使用している注射薬の取り扱いがないことがあり、類薬に換えるとしてもdevice・手技が異なり血糖変動が危惧 されるからである。

・注射薬の郵送依頼がときにあるが、基本的には不可としている。その理由はその保存条件として直射日光、異常高温、凍結を避け冷暗所 (2~8℃)とされているためである。

・「ウイズ・コロナ」 を踏まえて今後はオンライン診療や ICT/1oTを活用した療養指導を広めていくべ きである。

COViD-19感染時の薬物治療

「シックディルール」に順 じて、糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖状態、低血糖などの発症予防に努める。

●ビグアナイド薬、チアゾリジン薬 :中止

●α―GI薬::消化器症状強い場合は中止

●SGLT2阻害薬::呼吸循環不全や血栓症のリスクあれば中止

● SU薬・グリニド薬::減量または中止

●DPP-4阻害薬::比較的安全 に使用可能

● GLP-1RA:一 時的中止

●インスリン :最良 (基礎インスリンと食事量に応じた 超速効型インスリン)

(日本糖尿病学会 :2020.6)

Categorised in: 全身病と眼