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2021年4月1日

12749:悪性腫瘍随伴網膜症(癌関連網膜症) Cancer associated retinopathyとは

CARでは網膜色素変性の様な視野変化やERG電弱の割に、網膜の色調に乱れはあるが、骨小梁状の色素沈着は目立たないことが多い。Ocular paraneoplastic syndrome: Cancer-associated retinopathy – ScienceDirect

清澤のコメント:前立腺腫瘍を治療中に視野欠損を訴えた患者さんを網膜専門病院で詳しく調べていただき、悪性腫瘍随伴症候群との診断をつけていただいた症例を拝見しました。今日の疾患としてCancer associated retinopathyをおさらいしてみましょう。

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がん関連網膜症(CAR)は、網膜のまれな腫瘍随伴障害です。それは複数の癌に関連しています。それは、光線過敏症に関連する突然の進行性の視力喪失を呈する可能性があります。その他の所見には、輪状暗点、網膜細動脈の狭細化、視野欠損、異常な網膜電図(ERG)、および網膜抗原に特異的な循環血清自己抗体の存在が含まれます。このまれな症候群は、原発腫瘍や転移性病変とは無関係の遠隔効果です。それは、多種多様な異なる眼症状を伴う不均一な病態です。

種々の中枢神経症状を呈するもののうち、特に網膜を障害するものを悪性腫瘍随伴網膜症といいます。発生機序は腫瘍組織に網膜特異的な抗原が異所性に発現し、その抗原に対する抗体が産生され、この抗体が網膜を障害すると考えられています。悪性腫瘍随伴網膜症には癌関連網膜症(cancer-associated retinopathy:CAR)と悪性黒色腫関連網膜症(malignant melanoma-associated retinopathy:MAR)があります。

悪性腫瘍随伴網膜症の症状

それは複数の癌に関連しています。それは、光線過敏症に関連する突然の進行性の視力喪失を呈する可能性がります。その他の所見には、リング暗点(ドーナツ状の暗点)、網膜細動脈の狭細化、視野欠損、異常な網膜電図(ERG)、および網膜抗原に特異的な循環血清自己抗体の存在が含まれます。このまれな症候群は、原発腫瘍や転移性病変とは無関係の遠隔効果です。それは、多種多様な異なる眼症状を伴う不均一です。

悪性腫瘍の直接浸潤や転移がないにもかかわらず、CARでは網膜色素変性症に類似しており、夜盲や光過敏症、視野狭窄や輪状暗点などの視野障害、視力低下などの症状を呈します。また、網膜中心動脈の狭細化やERGでの波の平坦化を認めます。CARでは原発腫瘍の発見前に眼症状を発症することが多いため、中高年患者で、家族歴がなく、眼底変がわずかで、それに対して網膜色素変性症様の訴えが強い例ではCARを疑う必要があるでしょう。CARの原因腫瘍は肺小細胞癌が最多で、消化器系癌、婦人科系癌がこれに次いでいます。

CARの確定診断には、血清中の抗レカバーリン、抗α-エノラーゼ、抗炭酸脱水酵素II、熱ショック同族タンパク質70(HSC70)、抗トランスデューシン-α自己抗体、および抗GADPHを含む網膜抗原に対する抗体によって引き起こされ、それらは専門の研究機関で調べられます。

腫瘍抗原は免疫応答を引き起こし、網膜変性と細胞死を引き起こす網膜タンパク質と交差反応する自己抗体の発生をもたらします。抗網膜抗体が光受容体の損傷を引き起こす網膜抗原を標的とするメカニズムは完全には理解されていません。仮定される分子機構は、細胞内カルシウム流入と共に、カスパーゼ依存性経路によって媒介される光受容体のアポトーシスです。

治療は免疫抑制としてステロイド全身投与や免疫グロブリン大量投与、アザチオプリン、アレムツズマブ投与や、自己抗体除去のため血漿交換を行うこともあります。

一方、MARでは、夜盲や光過敏症はあるが、視野は中心暗点があり、ERGではnegativeERG(a波はほぼ正常で、b波が著名な低下)を示します。MARでは血清中に抗網膜双極細胞抗体(TRPM1など)があれば診断は確定できます。

悪性腫瘍随伴網膜症の診断

•             50歳以上の比較的高齢者

•             遺伝歴がないにも関わらず、網膜色素変性のような眼底像や視野狭窄を認める

•             軽度ぶどう膜炎にも関わらず、著しい視野狭窄や視力低下を認める

このような場合には本症を疑い、全身検索を行うべきである。抗体価はその病勢により変動するため、少なくとも3回以上測定する必要があるとされる。

悪性腫瘍随伴網膜症の治療法は確立されてはいない。CARの治療は、事例の場合レポートに基づいて視覚機能の改善を軽度から中等度に関連付けられているコルチコステロイドによる治療が挙げられる。自己免疫プロセスの病態生理学を考えると、免疫抑制療法の初期の制御は、治療反応の可能性を改善するように思われる。また文献レビューは、患者がIV免疫グロブリン、アレムツズマブ、リツキシマブ、および血漿交換に反応したことを示しています。血漿交換は、免疫応答に寄与する抗網膜抗体、循環免疫複合体、およびサイトカインを除去すると仮定されています。ただし、血漿交換はステロイドと組み合わせて行われるため、免疫抑制薬の反応は血漿交換自体に完全に起因するものではありません。

上記の種々の治療にもかかわらず、視覚的予後は依然として不良です。根底にある癌の治療が視覚的予後に影響を与える可能性は低いです。

文献1:キュアウス。2019年6月; 11(6):e4872。doi:  10.7759 / cureus.4872 がん関連網膜症(CAR)の症例シリーズ

モニタリング編集者:AlexanderMuacevic ほか:

文献2:参考文書 2020年10月22日 https://doctork1991.com/2020/02/09/car-mar/

Categorised in: 全身病と眼