お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2021年1月6日

12551:眼窩悪性腫瘍と神経眼科 (柏木広哉先生)

眼窩悪性腫瘍と神経眼科 柏木広哉(神経眼科37:362-369,2020)を読みました。その要点を採録してみます。

要約:

眼科は7つの骨に囲まれ容積は25-30cc。眼球、血管、神経、リンパ系組織、脂肪、筋肉が存在しており、様々な腫瘍が発生する。良悪性にかかわらず腫瘍による眼球突出や眼球運動障害による複視、視神経の圧迫による資料低下や視野狭窄など神経眼科的症状を来す。悪性腫瘍は原発、浸潤性、転移性に分けられリンパ系腫瘍が多い。リンパ腫は確実に全摘出することで後療法は必要なくなる事があるが、その頻度は極めて少ない。また副鼻腔や鼻腔からの浸潤癌は視神経障害を起こすことが多く、生命予後を延長することができても視機能維持で苦慮することも多い。また、近年進歩している放射線療法(陽子線、重粒子線)や抗がん剤治療による視神経障害などにも注意が必要。

本文の抄出:

1:緒言

Ⅱ、症状と検査

Ⅲ、原発性悪性腫瘍

悪性リンパ腫:低悪性度のマルトリンパ腫が多い。びまん性大細胞B細胞リンパ腫やマントル細胞リンパ腫は増大速度が早い。30Gy前後のエックス線照射や化学療法R-CHOPなど行う。

腺様嚢胞癌 adenocystic carcinoma:涙腺腫瘍では眼球の内下方変位が一般的。進行例は眼窩内容除去などを要すことあり。重粒子線治療も選択肢。

稀な腫瘍(横紋筋肉腫や視神経膠腫):小児に好発。

Ⅳ、浸潤性悪性腫瘍:圧迫性視神経症に注意。対光反応左右差や視野を定期的に診察する。化学療法併用放射線治療もある。

Ⅴ、転移性眼窩腫瘍:乳がん、前立腺癌、肺癌で70%。肝臓がん、前立腺癌、消化管間質腫瘍、神経内分泌性癌、子宮癌なども。乳癌では眼球陥凹も。転移性癌では生命予後は短く平均15か月。

Ⅵ、疼痛、視神経症

  • 疼痛:まずはNSAID。神経障害緩和剤は一過性健忘モ起きる。
  • 放射線治療後の視神経症:50-65Gy3年以内に発症。
  • 化学療法による合併症:視神経障害はまれ。

Categorised in: 全身病と眼