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2021年1月5日

12547:見逃してはいけない身体所見16:神経の見方:頭痛:記事紹介です

神経の見方:頭痛

本日届いた日本医師会雑誌2021年1月号に見逃してはいけない身体所見16:神経の見方:頭痛という柴田護先生の記事がありました。一般臨床医を対象にしたものですが、眼科医にも有用なのでその要点を採録してみます。

■頭痛患者を診療するための予備知識

侵害刺激に感受性があるのには頭蓋外(皮膚、筋肉、動脈、骨膜)と頭蓋内(硬膜、静脈洞、脳動脈、硬膜動脈)のものがある。三叉神経と上位頚髄神経由来の侵害受容ニューロンの神経線維は三叉神経頚髄複合体を形成し、頸部由来の痛みも頭痛として自覚されることが有る。

 疼痛は自律神経障害としての徐脈や血圧低下なども起こす。慢性疼痛は大脳辺縁系を介して恐怖感、鬱など気分障害を起こす。脳血管障害への迅速な対応と片頭痛など慢性疾患の管理が必要。

■病歴聴取:

◎発症経過での急性発症頭痛は雷鳴頭痛で、くも膜下出血や脳血管障害を念頭に置く。

表1:雷鳴頭痛を呈する代表的な器質的疾患:くも膜下出血、静脈洞血栓症、動脈解離、脳出血、下垂体卒中、第3脳室コロイド嚢胞、可逆性脳血管攣縮症候群(注1)、急性副鼻腔炎

◎発症契機:頭部打撲、労作、排便などの記載。

◎部位:片側か両側か?後頭部か?片頭痛の半分は両側性。群発頭痛と発作性片側頭痛は片側性。帯状疱疹は三叉神経第1枝で発疹に先行する頭痛を示す。

◎随伴症状:悪心、嘔吐、光過敏⇒くも膜下出血SAH(髄膜刺激症状)。症状の反復は片頭痛。60分を超す閃輝暗点様症状は脳梗塞。片麻痺や小脳失調⇒脳梗塞や脳出血。神経系以外の頭痛には⇒緑内障、副鼻腔炎、顎関節症、頚椎症がある。顎跛行なら巨細胞性動脈炎。痙攣と頭痛の組み合わせは静脈洞血栓症。てんかん発作なら意識混濁などもある。

◎誘発因子:片頭痛⇔月経、天候変化、食物。咳なら後頭蓋窩疾患。

■身体診察:

◎視診:脳硬膜動静脈瘻、緑内障もある。帯状疱疹も見てわかる。

◎聴診:シャント音、ブルーイが解る

◎触診:三叉神経痛にはトリガーゾーンあり。

◎神経学的所見:瞳孔不同(IC-PC動脈瘤、緑内障)、縮瞳⇔椎骨動脈乖離(延髄外側症候群、ホルネル症候群)。髄膜刺激症状(頸椎損傷や脳動脈解離)。Jolt accentuation(注2): Kreig兆候(注3)

■くも膜下出血のレッドフラッグ:Ottawa SAHルール

必要な検査:CT,頭部MRI,、髄液検査、採血検査(凝固系:脳梗塞や血栓症。赤沈とCRP

:巨細胞性動脈炎。)

追記:

注1:可逆性脳血管攣縮症候群:可逆性脳血管攣縮症候群(Reversible cerebral vasoconstriction syndrome、RCVS)は激しい頭痛を主徴とし、びまん、分節可逆性脳血管攣縮を呈する症候群でありCall Fleming症候群やpostpartum cerebral angiopathyなどとも呼ばれる。

注2:Jolt accentuation(JA)は「1秒間に2-3回の周期で頸を横に振ってもらう,または他動的に振って頭痛が増悪する」という所見で,髄膜炎を予見するのに有用

注3:Kernig兆候: ケルニッヒ徴候(Kernig’s sign)とは、髄膜刺激症状の一つである。仰向け(仰臥位)の状態で下肢を曲げ伸ばししようとすると、抵抗や疼痛を感じる状態を指す。

Categorised in: 全身病と眼