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2020年12月12日

12498:真菌性眼内炎患者におけるイトラコナゾールの眼内浸透:文献紹介

清澤のコメント:経口投与されたイトラコナゾールが他剤で汚染されていた事による事故が報告された(末尾にリンク)。そこでイトラコナゾールの眼科利用について文献を探してみた。真菌性眼内炎が疑われる内因性眼内炎では、潅流液に抗真菌薬を加えた硝子体切除が行われると思うが、それは経口投与された抗真菌薬のイトラコナゾールが血液網膜柵で止められて眼内に行き渡らないからであると考えられる。(手術時に加えるべき抗真菌薬の種類や濃度は下記等の別文献をご参照ください。https://academic.oup.com/cid/article/52/5/648/385484)経口投与されたイトラコナゾールが殆ど眼内に入っていないことを示したのがこの論文です。眼窩真菌症に対するイトラコナゾール投与にも文献があります。

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Intraocular penetration of itraconazole in patient with fungal endophthalmitis

真菌性眼内炎患者におけるイトラコナゾールの眼内浸透

望月清文、 丹羽義明、 石田京子、 川上英明 DOI: 10.1007 / s10792-012-9696-0 以下に抄録を訳出

この研究の目的は、アゾール系抗真菌剤の一種であるイトラコナゾールが、繰り返し経口投与した後の房水および硝子体への浸透を測定することであった。真菌性眼内炎は、腹部手術後に中心静脈内栄養の病歴を持っていた21歳の男性で両側に発症した。イトラコナゾールカプセル(200mg /日)を12日間連続して経口摂取した。最後の経口イトラコナゾールの30時間後に硝子体切除術を左眼に行った。硝子体切除術中に、血液、房水、および硝子体のサンプルが収集された。イトラコナゾールの濃度は、高速液体クロマトグラフィーによって決定された。イトラコナゾールの濃度は、血漿で0.492μg/ mL、硝子体で0.020μg/ mLであり、左眼の房水では0であった。両眼の血漿および硝子体サンプルから真菌は分離されなかったが、左眼の硝子体から真菌DNAが検出された。我々の知見は、経口イトラコナゾールの真菌性眼内炎の眼への浸透は限られたものであることを示している。

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