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2020年12月5日

12479:新型コロナ重症化は抗うつ薬(シグマ1受容体作動薬)で抑えられる 米ワシントン大が発表:記事引用他

11/25(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

コロナ禍はまだまだ続く(C)日刊ゲンダイ

清澤のコメント:シグマ1受容体作動薬がコロナウイルス感染症の重症化を防ぐという記事です。日刊ゲンダイ記事の抄出に、その作用機序に言及した記事も付けておきます。私も20年前にこのシグマ1神経受容体の眼内分布の研究に参加しており、懐かしく思いました。

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 新型コロナウイルスの感染者数が連日増加している。興味深い研究結果が医学誌「JAMA(Journal of the American Medical Association)」に掲載された。

 発表したのは、ワシントン大学の研究者。 「世界中で何十年も使われている古い抗うつ薬フルボキサミンが、コロナの重症化を防ぐというのです。フルボキサミンが悪化予防の唯一の薬ではないかとも期待されています」

 なぜフルボキサミンがコロナの重症化を防ぐことができるのか?

 小胞体に存在するシグマ―1受容体には、小胞体ストレスを抑制する働きがある。つまり、症状を重症化させない。シグマ―1受容体に強く作用するフルボキサミンを服用することで、小胞体ストレス抑制機能が働き、コロナの重症化を抑制できるのだ。ーーワシントン大学は880人の参加者を対象に大規模な試験を行うことを発表している。

◎機序に関する総説の概要:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphar.2020.582310/full

コロナウイルス(CoV)の複製は、小胞体(ER)に由来する改変された膜コンパートメントで発生し、宿主細胞のERストレスを引き起こし、経路を活性化して、ウイルスのニーズへの宿主細胞機構の適応を促進します。したがって、小胞体リモデリングと小胞体ストレス応答の変調は、CoV-ホスト相互作用を解明する上で極めて重要であり、新しい治療的、ホストベースの抗ウイルスアプローチの理論的根拠を提供する可能性があります。シグマ-1受容体(Sig-1R)は、リガンド作動性のER膜結合シャペロンであり、ERストレスの上流モジュレーターとして機能するため、COVID-19患者を治療するための宿主ベースの転用アプローチの候補宿主タンパク質です。 Sig-1Rリガンドは、重症急性呼吸器症候群CoV-2(SARS-CoV-2)を含むCoVに対する抗ウイルス化合物を特定することを目的としたinvitroドラッグリポジショニングスクリーニングで頻繁に特定されます。 Sig-1Rは、適応性のある宿主細胞のストレス応答の重要なメカニズムを調節し、ウイルス複製の初期段階に参加します。脂質ラフトと界面活性剤耐性ER膜が豊富で、ウイルスレプリカーゼタンパク質と共局在します。実際、非構造的なSARS-CoV-2タンパク質Nsp6はSig-1Rと相互作用します。 COVID-19に対するSig-1Rリガンドの活性は、臨床試験で具体的に評価される必要があります。ーー偏りのないinvitro抗ウイルス薬スクリーニングでSig-1Rリガンドを使用して得られた証拠と、宿主細胞応答に対するSig-1Rの調節効果の根底にある潜在的なメカニズムについて説明します。 Sig-1Rを標的とすることは、劇的に確立されたウイルス複製を減少させるとは期待されていませんが、ウイルス誘発性の宿主細胞の再プログラミングの初期段階を妨害し、感染の進行を遅らせ、病気の悪化を防ぎ、および/または時間を与える可能性があります防御免疫応答を成熟させるためのウィンドウ。 Sig-1Rベースの薬は、早期介入、予防だけでなく、補助療法としても利益をもたらす可能性があります。

清澤注追記:シグマ1受容体と聞いておっとどっこい。シグマ1受容体についてはその昔、大学にいたころに私も研究対象としたことがありました。当時はオピオイド受容体の一種と考えられていました。

Categorised in: 全身病と眼