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2020年10月14日

12353:脳卒中と眼球運動障害:橋の神経眼科学 城倉 健

清澤のコメント:城倉先生はこの特集論文の「終わりに」の中で、『橋病変で斜視が出現していたとしても、みな同じように見えてしまうかもしれない。おそらくsmooth persuitの障害など気づきもしないであろう。しかしながら多少の知識を得たうえで改めて興味を持って橋病変による眼球運動障害を観察すれば、今もって日常診療から多くの発見が得られる。』といっています。この手の疾患の方に出くわしたら、先ずこの原著をご覧ください。そして、患者さんには大変ですが、横浜市立脳卒中・新家脊椎センター 神経内科を紹介させていただくのが良いのかもしれません。

 --アブストラクト引用---

脳卒中と眼球運動障害:橋の神経眼科学 城倉 健

2020 年 37 巻 2 号 p. 129-139 DOI https://doi.org/10.11476/shinkeiganka.37.129

抄録

 眼球運動障害を基に,橋病変の詳細な機能的障害範囲を知ることは,神経眼科学の醍醐味のひとつである.さらに,いまだ不明な点が残されている橋病変による眼球運動障害の研究は,今日の神経眼科学の重要な研究テーマでもある.

例えば,橋病変により内側縦束(MLF)が障害されると,患側眼の内転障害(INO)と共にしばしば健側眼の外斜視を来す(橋性外斜視).近年この健側眼の外斜視が,併存する患側傍正中橋網様体(PPRF)障害により出現することが判明した.もしPPRF障害が全くなければ,INOの外斜視は患側眼に出現する(WEMINO).

一方橋病変でも,MLF障害を伴わず,PPRFが単独で障害された場合には,患側眼の外転制限による内斜視を呈することもある.この内斜視の機序は,患側への注視麻痺が外転眼(患側眼)でより顕著に出現するためと考えられている.

また,橋病変により内側毛帯が障害されると(健側半身の感覚障害),近接するdorsolateral pontine nucleus(DLPN)にも影響が及ぶために患側向き追従性眼球運動が選択的に障害される.

しかしながら,同じ橋病変であってもPPRF近傍の障害の場合には(患側への注視麻痺),DLPNから対側小脳への連絡線維が交差後に障害されるため,追従性眼球運動は逆に健側向きが選択的に障害される.

◎城倉先生は「終わりに」の中で、橋病変で斜視が出現していたとしても、みな同じように見えてしまうかもしれない。おそらくsmooth persuitの障害など気づきもしないであろう。しかしながら多種の知識を得たうえで改めて興味を持って橋病変による眼球運動障害を観察すれば、今もって日常診療~多くの発見が得られる。といっています。この手の疾患の方に出くわしたら、患者さんには大変ですが、横浜市立脳卒中・新家脊椎センター 神経内科を紹介させていただくのが良いのかもしれません。

Categorised in: 全身病と眼