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2020年9月1日

12225:充血や眼球の痛みが…熱中症で目に症状が出るケースもある【みんなの眼科教室 教えて清澤先生】

清澤のコメント:夏休みの宿題解消の様な勢いでこのシリーズを書いています。提出済みの原稿も数編あり、先ずは今月中は続けられると思います。充血や眼球の痛みが…熱中症で目に症状が出るケースもある【みんなの眼科教室 教えて清澤先生】本人は本当に熱中症で倒れてしまう前の段階で周りに助けを求めること、周りの人もそのような人にすぐに助けを与えることが重要です。ヤフーニューなら⇒ https://news.yahoo.co.jp/articles/f55076c8a9947754c758db8dc9fbe1160848995d 8/27(木) 9:26配信

by 清澤源弘 日刊ゲンダイのページでは⇒https://hc.nikkan-gendai.com/series/3994

日刊ゲンダイDIGITAL

【Q】熱中症で救急搬送される人が多いようですが、熱中症になると目にどんなダメージが出るのでしょうか?(38歳女性)

【A】熱中症は、暑い、または蒸し暑い環境(暑熱環境)にいることで発症します。体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の体温調節機能が破綻したりすることが原因です。臨床的に、「古典的熱中症」と「労作性熱中症」の2つに区別されます。

古典的熱中症は非労作性熱中症ともいって、高齢者や乳幼児、慢性疾患の方が熱の籠った屋内にいることで、数日かかって徐々に悪化するような熱中症です。身体の熱放散メカニズムの障害が原因で、予後も不良です。  

一方、労作性熱中症は、暑い環境の中で激しい身体活動(筋肉運動)が加わることによって起こる熱中症で、炎天下の運動負荷により数時間で急激に発症します。スポーツなどをおこなう若年者に発症し、対応が早ければ、予後は比較的良好です。  

どちらの原因であっても熱中症と思われる症状が見られたら、冷所で安静を保ち衣服を緩めた後、首筋、脇の下、足の付け根といった太い血管のあるところをアイスノンなどで冷やし、急速に体温の低下を図ることが重要です。暑熱環境で体調不良になったときは、すべて熱中症を疑って対応すべきだとされています。  熱中症の初期症状として、「手足のしびれ」、「めまい」、「筋肉のけいれん」、「筋力の低下」、「吐き気」などの症状があります。目の症状としては倒れる前に「目の充血」が表れ、「眼球の痛み」、「かすみ」、「チカチカする感じ」、といった症状が現れることもあります。軽症の段階であれば、現場の応急処置で回復することが多いようです。

 熱中症が重度になると、肝臓・腎臓といった臓器障害とともに、中枢神経系の症状も見られてきます。中枢神経系は高体温により有害な影響を受けやすい器官です。「せん妄」、「錯乱」、「妄想」、「けいれん」、「幻覚」、「運動失調」、「振戦」、「構音障害」、といった症状は、中枢神経系の障害で起こるものです。また、眼球運動を含む「小脳症状」、「けいれん発作」などもみられます。小脳のプルキンエ細胞は特に熱に脆弱性があると言われており、熱中症の後遺症として小脳性運動失調を来すことが知られています。  

眼症状として、小脳損傷にともなう「眼振」がみられることがあります。また、神経障害の指標になる瞳孔については、強直、散大、ピンホールといった様々な自律神経系異常を示す報告がみられますが、正常だったという報告もあります。

 なお、新型コロナウイルス感染症と熱中症の症状が似ており、救急隊の対応が躊躇される場合があると言われています。熱中症も重症化すると命に係わる疾患です。暑熱環境下での体調不良をみたら、感染対策を怠りなくおこないながら、迅速に適切な対応をおこなえるようにしたいものです。

Categorised in: 全身病と眼