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2020年5月20日

11896:コロナ禍は夏になれば終息するのか、東南アジアの事例で検証:記事紹介

真野俊樹:中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 ライフ・社会 DOL特別レポート2020.5.20 5:37  https://diamond.jp/articles/-/237763

清澤のコメント:真野先生は多くの論説を書いている。その分析は有効な推論だが、先日のNEJMに出た東南アジアはBタイプ流行という説が考案にあたっては重要かと思われる(この記事末尾にリンク)。

 ―――記事の要点を抄出――――

「コロナは高温多湿に弱い」「夏になれば終息する」という見方も根強くある。果たして、それは現状のデータから証明できるのか。

日本は新型コロナ対策が欧米より巧みであったのか?

 日本における新型コロナウイルス感染症による死亡者数が欧米に比べて少ない。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長は、医療体制の良さや初期段階でのクラスター対策の成功、国民の健康意識の高さを挙げている。

医療レベルが高い日本において死亡者が見逃される可能性は少ない。「人口当たりの死亡者数」は、「新型コロナウイルス対策をしっかりやった証」としてふさわしい。日本は、欧米と比べ二桁少ない。スペインでは、人口100万人当たりの死亡者数は500人、日本は数人以下。

アジア同士の比較新興国でも死亡者は少ない

「日本が素晴らしいのではなく、アジアに何らかの要因があって感染対策がうまくいっている」という主張がある。東南アジアの国々は医療レベルが低い。そこでは、日本と同じか少ない割合の死亡者しかいないので、欧米と比べ死亡者が少ないのは間違いない。

いくつかの“仮説らしきもの”には「BCG接種によるもの」、「コロナウイルスのタイプが違う」、「人種差がある」など。決定的な結論には至らず。

「ウイルスの力」を評価する感染性と致死性

「ウイルスの力」を評価するには、感染性と致死性を考える必要がある。東南アジア諸国に共通なのは「致死率が低い」ということ。

高温多湿は感染性を弱くするのか?

感染者数をどう比較するか?

感染者数の国際比較は難しい。PCR検査頻度で、感染者数が変わるから。その国での検査数は欧米に比べて1桁少ない。

 検査数の変化については、米国や英国、イタリアのように先進国では6週間で6~10倍程度に増えている国とそうでない国もある。感染性を感染者数の変化値で比較できる。感染の広がりの基点になる日としては、ロックダウン開始日を起点とし、4週間目、6週間目の感染者数の増加数を評価した

死亡者数は少ないが明確な答えは出ない

 PCR検査数の変化を勘案しても「特定の傾向は見られない」という結論である。  

 通常はロックダウンの効果は発令2週間以降あたりで見られ、起点から2週目に比べれば2週目から4週目、4週目から6週目の方が増加率は減る。日本は検査数が少ない割にコントロールされており、これは有症状者に絞って検査を的確に行っていたから。医療レベルが低い新興国ではコロナ感染による死亡者が正確に把握されていない可能性もある。現状では「東南アジアは高温多湿であるがゆえにウイルスが感染力を落としている」という証拠は、見つけられなかった。

 われわれは、感染者数が減ってきているという現状に安心せずに、「3密」を避けて行動するなどの「警戒と自粛の心を持ち続けることが必要」ということになる。

Categorised in: 全身病と眼