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2020年2月19日

11531:臨床的孤立症候群(CIS)と放射線学的孤立症候群(RIS)とは

清澤のコメント;本日の神経眼科勉強会で多発性硬化症の前駆状態ともいうべき「放射線学的孤立症候群(radiologically isorated syndrome RIS)」が話題とされた。以前から聞くことのあった「臨床的孤立症候群(clinically isorated syndrome CIS)」と似ていると思って識者に尋ねたら、おそらく多発性硬化症の前駆状態としての共通性を持つCISの対語としてのRISが提唱されたのだろうという事であった。この両者の関連は、次に一部を引用する郡山の総説( https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051030179.pdf )で伺うことが出来る。

ーーー総説の要旨と一部を引用ーーー

Clinically isolated syndrome ―多発性硬化症への進展予測と病態修飾療法の開始― 郡山 達男

要旨:多発性硬化症(multiple sclerosis,MS)患者の 85% は clinically isolated syndrome(CIS)と呼称される 最初は単一の臨床症状を呈する。CIS 患者の 38~68% は臨床的に確実な MS (clinically definite MS,CDMS)へ進展する。

 インターフェロン β(interferon β,IFNβ)は CIS から CDMS への進展を 44~50% 有意に抑制する。しかし,CIS のすべての症例が MS へ進展するわけではないことから,MS 以外の疾患を除外した後に,CDMS へ進展するリスクが高いと思われる MRI で空間的多発性および時間的多発性がみとめられ,McDonald 診断基準で MSと診断できるCIS 患者が IFNβ 治療の適応となると考えられる. (臨床神経 2011;51:179-187)

Clinically isolated syndrome(CIS) とは

 MS は臨床的に多様性があるが,MS の 85% は視神経,脳幹 または脊髄における CIS と呼称される最初は単一の脱髄性 症状で発症する。CIS は MS と診断できる時間的な多相性が 臨床的にも MRI 上も明らかでなく,MS 以外の疾患が適切な 検査などで除外されていることが不可欠である。CIS は臨床的に単巣性病巣あるいは多巣性病巣のものがあり,MRI 上で無症候性病巣があるものとないものがある。とくに初発の際にMRIで多発性病巣がみとめられた患者の多くは, CIS に続いて二回目の脱髄性症状を発症しCDMS へと進展する.

そして、Radiologically isolated syndrome (RIS)とは

  Radiologically isolated syndrome(RIS)は MS を示唆する MRI所見はあるが無症状の患者と定義されている.MRI の Barkhof 基準の 4 項目中 3 項目以上を満たす RIS 患者 41 例中の 24 例(59%)が中央値 2.7 年で MRI 所見 の進行がみられ,RIS 患者 30 例中の 10 例(33%)が中央値 5.4 年でCISまたは CDMS に進展した。また,Barkhof Tintoré の MRI 基準を満足するが無症状のRIS 患者70例中23 例(33%)が平均 2.3 年でCISへ進展した。このよう に RIS 患者は CIS あるいは CDMS へ進展するリスクがある.

追記:概要が理解いただければ幸甚です

Categorised in: 全身病と眼