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2019年12月24日

11403:“記憶された痛み”をうまく取り除くには?:記事紹介

清澤のコメント;眼科でも神経障害性疼痛に含まれる慢性疼痛は多い。私は神経内科医と協力して新しい薬剤治療なども導入を試みてきている。この記事を見て、今後は臨床心理士による認知行動療法の眼窩疼痛治療への導入も検討して行きたいと考える。末尾の眼科疼痛の記事もご覧ください

提供元:ケアネット 公開日:2019/12/10 記事抜粋

 『慢性疼痛治療ガイドライン』が発刊された。牛田 享宏氏(愛知医科大学教授)と伊達 久氏(仙台ペインクリニック院長)が、「『難治性慢性疼痛』による経済的・社会的影響と日本の『難治性慢性疼痛』治療の最新動向~病診連携モデルと臨床データの構築~」で慢性疼痛対策の現状を語った。

運動器慢性疼痛における日本の現状

 日本での慢性疼痛疫学調査によると、痛みの訴え部位は腰痛が大半(58.6%)を占め、筋骨格系=運動器に引き起こされることが多い。年齢分布は30~50代に多い。自己負担の治療費は年間4,000億円以上、患者の15%以上が仕事への影響を抱えていた。患者の治療満足度は低く、患者の1/3しか満足していない。
 慢性疼痛患者を精神科医が見た場合、線維筋痛症の有無を問わず約半数に身体表現性障害があり、患者の約95%には何かしらの精神疾患名(気分変調障害、大うつ病など)が付く

“痛みは記憶される”ことを理解する

 慢性疼痛患者が精神疾患を抱える理由は「痛みは頭で経験しているため」。頭では痛み自体を感じる感覚体験と、辛さや苦しさを感じる情動体験が同時に生じているため、国際疼痛学会では痛みを“不快な情動体験”と定義している。なかなか治らない痛みの原因は情動の要素が大きい。
 治りにくい痛みの代表例として神経性障害疼痛がある。これは体性感覚神経系の損傷や疾患により引き起こされる痛みであり、罹患者数は日本人人口の1~3%に上る。患者にはうつや睡眠障害の併発、医療機関受診件数が3件以上になるケースが多い特徴がある。
 このほかにも、通常では痛みを伴わないような微小刺激が疼痛として認識される感覚異常をきたすアロデニアという病態の研究報告から、痛みは記憶されている。痛みが感覚だけではなく情動によっても悪化する。
患者が痛みを強く感じているのは30分だけ

 ペインクリニックの視点から、伊達氏は慢性疼痛治療ガイドラインでの推奨内容について解説した。本ガイドラインでは、推奨度とエビデンスレベルを規定している。
 運動療法は血流改善を促すストレッチが中心なので、痛みがある時こそ有用。ストレッチはドパミン遊離にも影響を及ぼすため、痛みの蔓延化につながる心理社会的要因(不安、抑うつ、破局化思考)も解消される。また、慢性疼痛患者の突発痛は30分すると軽減することが多いため、痛い時にストレッチを行えば薬の依存から脱却できるかもしれない。心理社会的要因からくる痛みには認知行動療法が有効とされ、マインドフルネスなどの導入もガイドラインでは推奨(1A)している。しかし、現時点では保険適用外。最後に、痛みを直接除去する視点からインターベンショナル治療について説明した。なかでも脊髄刺激療法システムは他と比較して、中枢感作と痛みのいずれにおいても効果が得られた。
(ケアネット 土井 舞子 記事抜粋)

Categorised in: 全身病と眼