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2019年10月1日

11131:うっ血乳頭、慢性硬膜下出血、糖尿病:亀田千尋ほか

神経眼科学会への提出演題① うっ血乳頭を呈した慢性硬膜下出血の一例:亀田千尋ほか

:単純糖尿病網膜症で通院中、両眼うっ血乳頭をきたした両側慢性硬膜下血腫(CSDH)の一例。乳頭浮腫以外は無症候性の場合があるので注意と。

P4…2 うっ血乳頭を呈した慢性硬膜下出血の一例

亀田千尋1)、部田彩夏1)、矢部美帆1)、中島夏美D、堀口乃恵Lの、窪野玲央¹²⁾、

江本有子³⁾、江本博文¹²³⁾、清澤源弘²⁾

1)秀和総合病院眼科、2)東京医科歯科大学眼科、3)江本眼科

〔症例】164歳、男性

【主訴】なし

【既往歴】糖尿病、本態性振戦、腰痛症

【現病歴】X年7月、当院内科にて糖尿病を指摘され、当科紹介、単純糖尿病網膜症を認め通院開始となった。翌年3月3日、定期の眼底検査

で両眼うっ血乳頭を認めたため、頭部CTを施行した。両側硬膜下血腫を認めたため、脳外科コンサルトとなった。頭痛など自覚症状はなく、頭部打撲もないとのことだった。外転神経麻痺など、新たな神経症状の出現なし。

【眼科的所見】(視力・眼圧。前眼部・中間透光体):軽度の白内障のみ。

(眼底):両眼うっ血乳頭。(視野検査):両眼マリオット盲点のわずかな拡大。(眼球運動):正常。(頭部CT):右側優位の両側硬膜下血腫.

【経過】同3月3日、脳外科では穿頭術の説明がなされたが、患者本人の希望なく経過観察となった。同3月14日、改善が見られないため脳外科入院、穿頭洗浄術施行。同3月22日、両眼うっ血乳頭は改善傾向c同4月4日、うっ血乳頭は消失した。

【考察】単純糖尿病網膜症で通院中、両眼うっ血乳頭をきたした両側慢性硬膜下血腫(CSDH)の一例を経験した。両眼うっ血乳頭にもかかわらず、頭痛、一過性視蒙、明らかな意識変容や眼球運動障害を認めなかった。穿頭洗浄術後、CSDHの改善とともに、両眼うっ血乳頭も改善した。CSDHは珍しい疾患ではなく、うっ血乳頭をきたす報告もあり、本側のように無症候性のようでも注意を要すると考えられた。

利益相反【無】

追記:Eur J Neurol。 2015年1月; 22(1):99-105に「糖尿病患者の硬膜下血腫」 IK Wang ほか著 という論文があります。其れを見ますと:

背景と目的:

硬膜下血腫(SDH)は高い死亡率と関連しています。 ただし、糖尿病患者におけるSDHのリスクは十分に研究されていません。 この研究の目的は、糖尿病患者のSDHのリスクを調べることでした。

方法:

台湾のユニバーサル保険請求データベースから、2000年~2005年の28,045人の糖尿病患者のコホートと、糖尿病のない56,090人の被験者のコホートを特定し、SDHの発生率とハザード比を、2010年末までで計算測しました。

結果:

平均追跡期間は、糖尿病コホートで7.24年、非糖尿病コホートで7.44年でした。 SDHの発生率は、非糖尿病コホートよりも糖尿病コホートで1.57倍高く(1000人年あたり2.04対1.30)、調整ハザード比は1.63 [95%信頼区間(CI)1.43-1.85です。 ]。 層別データから、調整されたハザード比は、外傷性SDHでは1.51(95%CI 1.28-1.77)、非外傷性SDHでは1.89(95%CI 1.52-2.36)であることが示されました。 糖尿病コホートでSDHを発症した人の30日死亡率は8.94%でした。

結論:

この研究は、糖尿病患者の発症が糖尿病のない個人よりもSDHのリスクが高いことを示しています。 壊滅的な障害を予防するには、糖尿病患者に対する適切な介入が必要です。

キーワード:

糖尿病; 後ろ向きコホート研究; 硬膜下血腫

Categorised in: 全身病と眼