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2019年9月3日

11044:オピオイド中毒、製薬会社に責任=米で初判断、巨額支払い命令続出も;記事紹介

2019年09月02日13時32分

清澤のコメント:癌末期用の鎮痛薬として多用され、その使用がまた死を誘発することも有るとされたオピオイドが裁かれようとしています。医師としては癌末期の鎮痛などでは必要悪かと考えておりましたが、裁判では相当に強い批判が出ているようです。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社は、戦場で使う包帯のキットを独占的に米軍に納品した事などで大きくなったそうですが、一般にはバンドエイドや綿棒で知られています。我々眼科医には世界最大のコンタクトレンズメーカーとしても知られる会社であるだけに今後の裁判の動向が気にかかります。

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ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のロゴ=8月28日、カリフォルニア州アーバイン(AFP時事)

 1999年以降、全米で約40万人が亡くなった医療用麻薬オピオイド中毒問題で、リスクを十分に説明せずに販売したとして、製薬会社の責任を認める初の司法判断が下された。全米では2000件を超える訴訟が起こされており、今後、製薬会社に対し、巨額制裁金の支払いを命じる判決が相次ぐ可能性が高まっている。

 「虚偽かつ危険な販売手法が依存症と中毒死の急増を招いた」。南部オクラホマ州の地裁は8月26日、こう断じ、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に、5億7200万ドル(約600億円)の支払いを命じた。審理では、J&Jが「依存症リスクは低く、重度ではない慢性的な痛みにも有効だ」と宣伝していたことも、暴かれた。

 オピオイドは強い鎮痛効果がある半面、一時的に幸福感を感じるなどの副作用もあり、依存性も指摘されている。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では99年から2017年までに約40万人が過剰摂取で死亡した。オピオイド中毒は米社会が抱える極めて深刻な問題だ。

 J&Jは原料成分の生成では全米6割のシェアを持ち、他メーカーにも供給していたとして、「総元締め」(オクラホマ州司法当局)とも糾弾された。J&Jは「連邦法や州法を順守してきた」と主張し、上訴する方針。

 一方で、強引な販売手法で非難されているのが、米製薬パーデュー・ファーマだ。96年に販売開始したオピオイド系鎮痛剤の売り上げは累計で約350億ドルに達するという。メトロポリタン美術館などへの寄付活動で知られるサックラー家が創業し、経済誌フォーブスによると一族の資産は約130億ドルに上る。

 州や自治体などが起こした約2000件の訴訟が係属する中西部オハイオ州の連邦地裁での審理は10月に始まる予定。パーデューは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を受けた上で、最大120億ドルを支払う和解案を提示。しかし、30億ドルとされるサックラー家の拠出額が小さいなどと批判が出ている。

 製薬会社以外にも、医薬卸大手マケッソンやドラッグストア大手CVSヘルスなども訴えられており、関連業界全体を揺るがしている。

注:オピオイド鎮痛薬(非麻薬)解説

薬の効果と作用機序

•鎮痛作用などに関与するオピオイド受容体に作用することで強い鎮痛作用をあらわす薬

o中枢神経や末梢神経にあるオピオイド受容体は鎮痛作用など多くの作用に関わる

o本剤はオピオイド受容体に作用することにより鎮痛作用などをあらわす

•本剤の成分として、トラマドール、ペンタゾシン、ブプレノルフィンなどがある

•本剤の中には麻酔補助などに使用する製剤もある

詳しい薬理作用

オピオイド鎮痛薬とは中枢神経や末梢神経にあるオピオイド受容体への作用により鎮痛作用をあらわす薬剤で、オピオイド受容体にはμ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパ)という種類がある。(μのオピオイド受容体が鎮痛作用に最も関与するとされる)

本剤はオピオイド受容体に作用することにより鎮痛作用をあらわす(医療用麻薬としての取り扱いを受けない)薬剤となる。本剤にはトラマドール、ペンタゾシン、ブプレノルフィンなどが含まれ、同じ成分を含んでいても剤形や使用方法などが異なる場合がある(本剤の鎮痛、鎮静作用などにより麻酔補助として使用する製剤などもある)。

また本剤の副作用はモルヒネなどのオピオイド鎮痛薬と類似しており吐き気・嘔吐、便秘、眠気などであるが、薬剤によってはモルヒネなどに比べるとこれらの副作用が比較的軽度なものもある。

主な副作用や注意点

•            消化器症状:吐き気・嘔吐、食欲不振、便秘などがあらわれる場合がある

•            精神神経系症状:眠気、めまい、頭痛などがあらわれる場合がある

•            呼吸抑制:非常に稀だが、呼吸異常などがあらわれる場合がある

Categorised in: 全身病と眼