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2019年8月1日

10967:海綿静脈洞病変を伴わない硬膜動静脈瘻による眼症状:論文紹介

神経眼科医清澤のコメント:上の表題の without Involvement of the Cavernous Sinus というのが良く解りませんが、海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻ノ眼症状はこんなものだと思います。 20例程度で代表的な論文になってしまうのには驚きました。私も東北大時代に100例は見ています。 手術してもなおりますが、急に悪化して直後に治るparadoxical worseningというケースもあります。

海綿静脈洞病変を伴わない硬膜動静脈瘻による眼症状:文献レビューのある症例シリーズ
Ocular Signs Caused by Dural Arteriovenous Fistula without Involvement of the Cavernous Sinus: A Case Series with Review of the Literature.
Robert T, Botta D, Blanc R, Fahed Rほか。
抄録:
頸動脈海綿状瘻は、眼の徴候および症状の原因となるよく知られた臨床的および血管造影的疾患である。それどころか、眼の徴候は、海綿静脈洞以外の場所での頭蓋硬膜動静脈瘻では珍しい。眼科徴候の病態生理学およびそれらの血管造影的説明に焦点を当ててデータを遡及的に分析した。平均年齢50歳の患者13人が含まれた。最も一般的な徴候は、結膜浮腫(61.5%)、視力喪失(38.5%)、眼球突出(38.5%)、および高眼圧症(7.7%)であった。眼症状を呈する硬膜動静脈瘻は、その病理学的メカニズム(上眼静脈への局所静脈還流、頭蓋内圧亢進の原因となる大静脈の大量静脈充血、静脈拡張による眼球運動神経の圧迫、上眼静脈への排液を伴う眼窩内瘻によって4つのタイプに分類できる。
AJNR Am J Neuroradiol. 2016; 37:1870-1875。
doi:10.3174 / ajnr.A4831。
Epub 2016 5月26日。

〇日本のガイドラインで推奨されている治療方針は:

推 奨
1. 無症候性で脳血管撮影にて皮質静脈への逆流を認めない硬膜動静脈瘻では経過観察が第一選択で、MRIやMRAによる経時的検査を勧める(グレードC1)。
2. 症候性もしくは脳血管撮影にて皮質静脈への逆流を認める症例(Borden TypeⅡ/Ⅲ)では、部位や血行動態に応じて外科的治療、血管内治療、放射線治
療の単独もしくは組み合わせによる積極的治療を考慮する(グレードC1)。
3. 海綿状静脈洞部は塞栓術が、前頭蓋窩、テント部、頭蓋頸椎移行部、円蓋部は外科的治療が推奨される(グレードC1)。
4. 横・S状静脈洞部は血管内治療が第一選択であるが、閉塞が得られない場合は外科的治療や定位放射線治療を組み合わせた治療も行われる(グレードC1)。

〇当ブログの以前の記事も紹介させてください。

Categorised in: 全身病と眼