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2019年6月23日

10847:遺伝子で決まる日焼け・白肌 -2019/5/27

清澤のコメント: スキンタイプに最も強く影響を与えるのはOCA2遺伝子。新聞記事から東北大学のプレスリリースに戻って確認しました。注:OCA2遺伝子(以前はP遺伝子と呼ばれていた)は、Pタンパク質と呼ばれるタンパク質を作るための指示を提供する。 このタンパク質は、メラニン細胞にある。 メラニンは、肌、髪、そして目に色を与える物質。 メラニンはまた、網膜(色素上皮)にもみられ、正常な視覚において役割を果たす。

Pタンパク質の正確な機能は知られていないが、それは通常の色素沈着に必須であり、そしておそらくメラニンの産生に関与している。 メラノサイト内では、Pタンパク質は、メラノソームと呼ばれる(メラニンが産生される)構造との間で分子を輸送することができる。 研究者らは、このタンパク質がメラノソームの相対的な酸性度(pH)の調整にも役立つ可能性があると考えています。 ほとんどの生物学的プロセスにはpHの厳密な制御が必要です。

【発表のポイント】

・東北メディカル・メガバンク計画の住民コホート研究のデータを用いて、日焼けのしやすさと肌の色の決定に関連する遺伝子解析を行ないました。

・日本人の肌色・日焼けに関連する7つの遺伝子を同定しました。そのうちの1つはこれまで日焼けと関連がないと考えられていた遺伝子でした。

・皮膚癌の発症しやすさとの関係が報告されている遺伝子が肌色・日焼けに一番強い影響を与えることがわかりました。皮膚癌の個別化予防として紫外線の予防が有効となり得ることを示しました。

【研究概要】 医学系研究科皮膚科学分野の志藤 光介医師、山﨑 研志准教授、相場節也教授のグループは、東北メディカル・メガバンク機構ゲノム解析部門の小島 要講師らと1つの新規遺伝子を含む7つの日焼け・白肌を決める遺伝子を同定しました。本研究では、東北メディカル・メガバンク計画の宮城・岩手地域住民コホート調査参加者約1万人を対象として、日本人の肌のタイプ(スキンタイプ)に関連したゲノムワイド関連解析(GWAS)を行いました。日本人のスキンタイプに最も強く影響を与えるのはOCA2遺伝子で、OCA2遺伝子上に複数の一塩基置換多型(SNP)を持つ人が白肌で日焼けによって肌が赤くなるタイプに多いことが分かりました。また、これまでの欧米人やアジア人の研究ではスキンタイプとの関連が報告されていなかったRAB32遺伝子が日本人のスキンタイプに影響することを発見しました。スキンタイプは日光による皮膚老化や発癌しやすさに影響し、特にOCA2は皮膚癌の発症しやすさとの関係があることから、本研究の成果が今後の皮膚老化や皮膚発癌の予防研究に発展することが期待されます。

本研究成果は、米国研究皮膚科学会誌Journal of Investigative Dermatologyに掲載されました。

【用語説明】 注1.ゲノムワイド関連解析(GWAS):SNP(後述)を主としたヒトゲノムの全体をほぼカバーする数百万から数千万の変異情報について、形質(今回は日焼けに対する反応)と合わせて統計学的な処理を行うことで遺伝子と形質の関連性を調べる遺伝解析手法。

注2.一塩基置換多型(SNP):ある集団の中でDNA配列の一箇所(一塩基)の違いが1%以上の頻度で観察される時、その違いを一塩基置換多型と呼ぶ。個人個人の遺伝子や体質の差を調べる際にSNP情報が利用される事が多い。

図1. 日焼けに関わる遺伝子が何かを同定するために震災復興プロジェクトとして東北メディカル・メガバンク計画のコホート参加者から集められたアンケート情報の日焼けの形質と遺伝子解析データを利用した日焼けに対する肌の反応と関係する遺伝子を同定した。

Categorised in: 全身病と眼