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2021年9月30日

13127:東京都のコロナ新規感染者数 7-9月が「6.9倍と急増→24分の1へと急減」した理由

清澤のコメント:私が大学生の時にルネ・トムという数学者がカタストロフィーについて論じた本が流行りました。級友はフランス語の原著(上図)を買ってきて、何語でも正しいことが書いてあれば解らないこともないと嘯いておりましたが、私は日本語の解説書を読みました。生物学的な事象は普通は微分積分で論じられるような変化をするが、3次元写像を2次元への投影像で見ると、特異点で不連続に見えることがある。(下図)という事と私は理解しました。ウイルスの遺伝子変異もある閾値を超えると急激に消滅するという事を述べた人がいて、今回の急激な感染者数の減少もこうした不連続減少に起因すると言って見せたという事のようです。このカタストロフ理論についていくつかの記事が出ています。

そのうちの一つの記事:

「エラーカタストロフの限界」を超えるコロナウィルス変異への対応
東京大学先端科学技術研究センター  がん・代謝プロジェクトリーダー 児玉龍彦 (https://www.ric.u-tokyo.ac.jp/topics/2020/ig-20210824.pdf)
キーワード Eigen限界 新型コロナウィルス 抗体カクテル薬 ’RNAワクチン
要約
進化生物学では過剰な変異はゲノムの安定性を自壊させ、Eigenの提唱した「エラーカタストロフ」の限界があることが理論化されている。これまでの一本鎖RNAの3倍の大きさを持つコロナウィルスには校正機能があり、変異は一定数以下と推定され、新型コロナウィルスの制圧にワクチンによる集団免疫が期待されてきた。だが免疫不全の感染者では、複数の変異と変異前のウィルスが共存する形で、一人の中で変異が多数蓄積される。その結果、ワクチンや治療薬に抵抗性の増したウィルスが変異の波を生み出している。変異で生み出されるタンパク質の3次元構造には限界があるが、まだより強力な変異株の生まれる可能性もある。日本の政策を最新の科学に基づく診断、治療、予防に急速に切り替えていくことが求められる。

9/28(火) 9:06配信

【コロナ第6波に備える最新知識】  7~9月の東京の新規感染者数を見れば、日本の新型コロナが新局面を迎えたことがわかる。 第3波より第5波の新型コロナウイルスの方が怖いのは本当か?  7月13日の830人が8月13日には5773人と6.9倍に急増。その後急減して9月13日は611人と9分の1へ。さらに9月24日は235人と24分の1にまで減っている。なぜ新型コロナウイルスの感染者は急増・急減したのか。弘邦医院の林雅之院長に聞いた。

 そもそも夏の感染拡大を意外と感じた人もいたはずだ。太陽光と高温、多湿はウイルスを不活性化させるとの研究が示されていたうえ、一般的なコロナウイルスは、冬に感染が増加し、夏には勢いを失うからだ。 「今年の夏に新規感染者が急増した理由は、緊急事態宣言まん延防止等重点措置疲れで、感染症対策の気の緩みから人流が増えてマスクの着用や3密回避の行動などがおろそかになった、などといわれてきました。しかし、それだけで7倍近い新規感染者増になるとは考えにくい。そもそも通常のコロナウイルスによる風邪は、冬と夏に流行します。今回はその季節性の要因に加えて従来株よりも感染力が強いデルタ株が出現したからでしょう」

 では、その後に新型コロナの新規感染者数が急に減少したのはなぜか?  人流が減ったからではない。都が公表している「東京都内における繁華街の混雑状況および滞在人口(人出)の増減状況」を見ると、お盆の時期を除き、8月以降の東京、新宿、渋谷、品川、立川などのターミナル駅の15時での人出は大きく減っていない。銀座、六本木、池袋など21時での繁華街も同じだ。

 ワクチンのおかげなのか? 都の資料によると新規感染者数が減少に向かう8月13日時点での2回接種完了者は60代62.2%、70代81.8%、80代以上81.7%。確かに感染・重症化リスクの高い高齢者のワクチン接種は進んでいたが、全体で見ると27.9%。集団免疫が獲得される状況でもなかった。つまり、新規感染者数激減は、ワクチンだけによるものでもなさそうだ。新規感染者数の激減も、急増と同じくウイルス変異にその原因があったのかもしれない。

■新型コロナウイルスが自壊を始めた? 「そこで注目されているのがドイツの生物物理学者で1967年のノーベル化学賞受賞のマンフレート・アイゲン博士が71年に発表した『エラーカタストロフの限界』という考え方です」

 ウイルスは増殖する際にコピーミスが起き、変異株が出現する。その中には増殖の速いタイプのウイルスが生まれ、急速に感染拡大していく。ところが、増殖が速ければそれだけコピーミスも増える。結果、ある一定の閾値を超えると、今度はそのウイルスの生存に必要な遺伝子までも壊してしまい、ウイルスが自壊する、という考え方だ。

 アイゲン博士は生物の進化に必要な自己複製に関する数理モデルを解析。複製に際してエラーが起きた際の振る舞いなどについて研究しており、エラー率と進化ダイナミクス(動態)を考察していた。

 つまり7月以降にデルタ株が急速に感染拡大したのは、デルタ株の複製時のコピーミスが増えて変異が蓄積して高い複製能力を獲得したからで、8月半ばにはコピーミスが「エラーカタストロフの限界」を超えたためウイルスの自壊が始まり、急激に感染が減少したのではないか、というのだ。 「この考え通りなら、今後何もしなくても新型コロナウイルスが収束するじゃないか、と楽観する人がいるかもしれません。しかし、これは単なる仮説のひとつに過ぎません。冬にはデルタ株に代わる別の厄介な変異株が流行するかもしれず油断は大敵です」

 いま大事なことは第6波への備えをしつつ、“生物進化のダイナミズムの前ではいまの人間の科学の力は微力であって、いくら頑張ってもこれを完全にコントロールすることなどできない”と知ること。できるだけの感染予防を実践したあとは、明るく生きていくよう努めることではないのか。

Categorised in: ご近所の話題