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2021年6月17日

12950:マンソン裂頭条虫(サナダムシ)の眼感染とは?

中国では生のカエルを食べた人の寄生虫感染が報告された。その記事の中でマンソン裂頭条虫の感染が眼にも見られるという記載が有ったので、ネットで調べてみた。(左:医学論文の写真)最も詳しい記載は感染研のページだったのでその記載を短縮採録する。私は幸いにも、まだ見たことが無い。

中国で生きたカエルを5匹食べた男性 寄生虫感染症で病院に運ばれる 6/16(水) 14:20配信

クーリエ・ジャポン

中国東部・浙江省に住む中国人男性が、生きたカエルを呑み込み、病院に搬送されたと香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が報じている。寄生虫による感染症と診断されており、男性は生のカエルを食べることで「体力がつく」と信じていたそうだ。大学病院のウィーチャットへの投稿によると、53歳の男性はカエルを生で食べた後、高熱の状態が続いていたという。 しかもこの男性、病院に運ばれる前の今月初めに「親指サイズのカエルを5匹見つけ、生のまま呑み込んだ」と話していたという。

 ーーーー以下、感染研のページから抜粋ーーーーー

わが国における条虫症の発生状況 (IASR Vol. 38 p.74-76: 2017年4月号)

条虫とは, 扁形動物門の条虫網に属する寄生虫の総称である。「サナダムシ」とも呼ばれる。成虫はきしめん様を呈す。 条虫は魚類を感染源とする裂頭条虫属や複殖門条虫属, カエル・ヘビなどを感染源とするスピロメトラ属, それに食肉を感染源とするテニア属など多種多様である。

 裂頭条虫症・複殖門条虫症

魚を感染源とする条虫症の中で, わが国で最も発生頻度が高いものは日本海裂頭条虫によるものであろう。本種はサクラマスやシロザケなどに寄生する幼虫を経口摂取して感染する。2~3週間の潜伏期を経て, 排便時に長い虫体が肛門から下垂することで感染に気づくことが多い。症状は軽微で, 腹痛, 腹部膨満感や下痢にとどまる。本症の発生は, かつて北海道・東北・北陸に集中していたが, 現在は首都圏でも発生数は多い。欧州では北米産の輸入サケが原因と推定された症例もあるので, これらの地域でのサケ・マスの生食は本種による感染リスクを伴う。

広節裂頭条虫は日本には分布しない。欧州や北米では淡水魚のパーチ, 南米ではニジマスやギンザケなどが主な感染源となる, これらの地域では淡水魚やニジマスの生食には注意が必要。

孤虫症

孤虫症は成虫が不明な条虫の幼虫(=孤虫)による感染症であり, マンソン裂頭条虫(Spirometra erinaceieuropaei)による症例が知られている。ヒトはヘビ, カエル, 鶏やイノシシの肉に寄生する孤虫を経口摂取して感染する経路が一般的であるが, ケンミジンコに寄生した孤虫の前の発育段階の幼虫を経口摂取する経路もある。孤虫は10~20cmの紐状で, ヒトの皮下に寄生することが多い。孤虫症は世界的に患者の発生がみられるが, ヘビやカエルなどを食べる習慣を有するアジア諸国で発生が多い。日本を含めたアジア地域では, 孤虫症の原因種はマンソン裂頭条虫一種と考えられていたが, 最近のDNA解析によって, マンソン裂頭条虫以外にSpirometra decipiensも関与することが判明し, 日本にもこの2種が分布する。孤虫が皮下を移行すると, 出没を繰り返す移動性皮下腫瘤が認められる。胸腔内に侵入すると, 好酸球性胸膜炎を発症し, また脳内に移行すると, 痙攣発作や半身麻痺などを発症し, 死亡例もある。わが国では2000年~2017年3月までに119例(年平均6~7例)の孤虫症例が報告されている。孤虫の好適な寄生部位は大腿部, 腹部, 胸部, 鼠径部や乳房などであり(427例, 85.6%), 眼寄生(46例, 9.2%)や脳寄生(17例, 3.4%)の頻度は低く, タイや中国で眼寄生が多いのとは違った結果であった。その原因はタイや中国のある地域では, 眼疾患の痛みを和らげるためにカエルの肉を湿布代わりに用いる伝統的な民間療法があり, その際に孤虫が瞼などに侵入すると考えられている。孤虫症の検査法として, 抗体検出用のイムノクロマトキットが感染研で開発され,必要に応じて無償で分与されている。

テニア症

テニア症とは, 有鉤条虫, 無鉤条虫とアジア条虫のいずれかを原因とする条虫症で, 豚肉, 牛肉, あるいは豚の肝臓に寄生する幼虫(=嚢虫)を経口摂取することで感染する。幼虫は8~12週の潜伏期を経て, 小腸で成虫になる。

有鉤嚢虫症

有鉤嚢虫症は有鉤条虫の幼虫が寄生する寄生虫症。一つは有鉤条虫(成虫)感染者の小腸内で受胎体節が壊れて虫卵が放出され, 孵化した六鉤幼虫が血行性, またはリンパ行性に全身に移行し, そこで嚢虫に発育する自家感染。もう一つは有鉤条虫症患者が排泄した虫卵によって汚染された飲食物を摂取した感染である。嚢虫が脳内に寄生すると, 痙攣, 意識障害, 四肢麻痺や視覚障害など重篤な中枢神経症状がみられ, 海外では死亡例も報告されている

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