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2021年6月5日

12917:米国名門大教授が指摘「Zoom疲れ」の4つの原因と対策:日刊ゲンダイ自著記事採録

6/2(水) 9:06配信

清澤のコメント:紙面に掲載されず、ヤフーニュースなどには配信される日刊ゲンダイデジタルの自分が関与した記事です。ご笑覧ください。

日刊ゲンダイDIGITAL

【みんなの眼科教室 教えて清澤先生】

【Q】新型コロナ感染症対策で「テレワーク」するようになってやたらと疲れるようになりました。何が原因でしょうか?

【A】同様の質問を最近、当院の患者さんから聞かれました。調べてみると米国の名門大学「スタンフォード大学」のバーチャルヒューマンインタラクティブ研究所が「ズーム疲れの原因に関する理論的議論」と題する論文を発表しています。Zoomに代表されるウエブ会議を長時間使うことの心理的影響とその対処法が書かれています。質問者の答えにもなるかと思います。紹介しましょう。  

同研究所のジェレミー・ベイレンソン教授によると、疲れの原因は4つあると言います。  

ひとつは「視野の多さと顔サイズの大きさ」です。Zoomでは誰もが常に全員を見ていますし、自身も見られています。つまり、人によっては普段とは異なり自分に向けられているように見える視線の量が劇的に増えている状態が続きます。多数の人に見つめられることは、人間にとって恐怖の原因なのだそうです。

また、Zoomに映し出されるのは相手の顔だけです。脳は、相手の顔が非常に近いとそれを「交尾」か「攻撃」につながる状況と解釈し、不要な興奮状態に陥るそうです。  これを解決するには、全画面表示をやめ、ウィンドウサイズを小さくすることで会議参加者の顔の表示を小さくし、ディスプレイから離れて参加者の顔から距離を置けるよう外付けキーボードを使うことだとしています。  

原因の2つ目は、「自分の顔」です。ウエブ会議では自分の顔も映し出されますが、それは現実世界で鏡を見ながら話しているのと同じだとベイレンソン教授は指摘しています。自分を見ていると、自分に対してより批判的になる傾向にあるとする研究があるそうです。  この解決策はずばり、自分を非表示にすることです。  

3つ目の原因は、「移動できない」ことです。いったんウエブ会議に参加すると現実の会議のように歩き回ることができません。常にカメラの前でおとなしく座っていなければなりません。こうした行動の制限は窮屈なことです。  これを解決するには、ウエブ会議に参加する前に部屋やカメラの位置を考えて多少は動けるようにすること、外付けのキーボードを使うことで画面から離れられるようにすること、会議中に動画を定期的にオフにして休憩できるようにすることが大切だとしています。 

「大げさなジェスチャー」が求めらることもウエブ会議の参加者を疲れさせます。これが4つ目の原因です。現実世界の対話では声以外の手振り・身振りや表情が大きな役割を果たしてます。同じ効果を上げるために、ウエブ会議では大きくうなずくなどの動作をします。そのため、精神的エネルギーを消費させ、認知的負担を増やすのです。  長時間のウエブ会議では「音声タイム」を設けるといい、とベイレイソン教授は提案しています。  

そもそもウエブ会議が疲れるのは、ベイレイソン教授も指摘しているように、その手軽さ故にウエブ会議の回数が増えていることも原因でしょう。会議は単なる形式的なもので、実質的には意味がない場合が多く、現実社会でも疲れます。新型コロナによる在宅勤務で、部下が仕事をさぼっているのではないか、何か一体感が欲しい、などといった理由から毎日のように開催するのではなく、本当に必要なときにのみ開催するのが「Zoom疲れ」回避の道ではないでしょうか?  

若い方にとってZoom会議参加は簡単な操作でしょうけれど、中高年者にとってはつながらない不安など結構なストレスです。そのストレスを無視しない社会であってほしいと思います。 (清澤源弘/清澤眼科医院院長)

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