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2020年7月23日

12116:かつて地中海から水が消えた 3200mの塩の層

清澤のコメント:地中海のジブラルタル海峡が閉じられれば,ごく最近中央アジアでアラル海が消えたように海が消えることは考えられない事ではないだろう。学会誌の記事。

 ---記事の要点---

かつて地中海から水が消えた 大洪水の証拠か、3200mの塩の層 7/23(木) 10:21配信

海面は今より1600m以上も低かった

かつて地中海から水が消えた 大洪水の証拠か、3200mの塩の層

7/23(木) 10:21配信

 地中海は海底の地下深くに厚さ約3200メートルもの塩の層が存在するという。 その塩は、はるか昔に地中海がほぼ消え去ったこと示す数少ない証拠のひとつだ。科学者の中には、地中海はかつて一度完全に蒸発し、サハラ砂漠のようにカラカラに干上がったと考える者もいる。地中海が一度消滅し、その後、再び大西洋とつながって復活したという仮説の詳細は、長い間謎のままだった。

ガルシア・カステラノス氏らの研究グループは、学術誌「Earth-Science Reviews」の20年2月号に、地中海の海底の堆積物と最近見つかった溝のような地形が、この大洪水によってできたものであるという新説を発表した。  

地質の活動によりジブラルタルで大西洋と地中海が再びつながり、大洪水が起きていなければ、現在わたしたちの知る地中海は存在しなかったはずだ。

いまでは地中海は世界の水循環に欠かせない原動力になっている。蒸発によって地中海の塩分濃度が高くなり、これが大西洋に流れ込む。そのおかげで、地球を循環する海洋ベルトコンベアの流れが生まれ、気温や嵐のパターンなどに影響を与えている。  

■1600メートル以上も海面が低かった  今でも地中海の水は絶えず蒸発を続けており、その量は1年間に深さ約120センチ分にもなる。雨や川から流れ込む水だけではまるで足りず、地中海の水量を補える唯一の水源は、スペインとモロッコの間のジブラルタル海峡から流れ込む大西洋だ。

 しかし数百万年前には、地下深くの地殻変動により地表が押し上げられ、この海峡がふさがれた可能性がある。それでも海水は流入していたようだが、地中海の海底近くを流れる塩分濃度の高い水が流れ出る経路は絶たれたのだろう。およそ600万年前には海盆の底で岩塩が堆積し始め、その量は、膨れ上がった。  

岩塩ができたときに、一部の研究者は、一帯は洪水が起こる直前にはほぼ干上がり、現在の海水面よりも1600メートル以上低かったと考えている。約530万年前、陸橋を越えた大規模な洪水によって、大西洋と地中海が再びつながった。

「あっという間に手のつけられない勢いになります」と、ガルシア・カステラノス氏は言う。 水量が増すにつれて、流路は深く削られ、さらに多くの水が通るようになっていった。ピーク時には、その流れは毎秒1億立法メートルという激流となり、地中海は2年以内に水で満たされたと考えられる。

これだけの規模の洪水なら、ジブラルタル海峡ができ、海底まで続く峡谷が削り出されたことだろう。 「これほどのエネルギーがあれば、あらゆるものはかき回されて、無秩序な状態に陥るでしょう」。米アリゾナ大学の地質学者で、大規模洪水を研究するビクター・ベイカー氏はそう述べている。

■「メッシニアン塩分危機」発見の経緯  1800年代の地質学者たちは、これほどの規模の洪水が起こり得るとは考えてもいなかった。 地中海の歴史についての研究が開始されたのは1950年代、海岸で塩の堆積物が見つかり、太古の海の塩分が高かった可能性が示されたことがきっかけだった。

1970年代に、グローマー・チャレンジャー号に乗船した研究者らが日差しに焼かれた干潟の表面にできるひび割れによく似た特徴を、塩の層の上部から見つけた。これは、塩の層の上に水がない時期があったことを示唆している。

地中海が干上がったとされる現象は、「メッシニアン塩分危機」と名付けられた。洪水が流入する前、そうした場所は縮小した海のような状態だったのかもしれない。

■今後の掘削調査に期待  人類が誕生するよりはるか昔に沈殿した堆積物は、今は海底のずっと下のほうに埋まっている。 シシリー島付近の海底で、洪水で流されたとみられる岩や砂の堆積物が発見された。しかし、そのサンプルはまだ採取されていないため、これがいつ形成されたのかは正確にわかっていない。ライアン氏は「これから行う掘削調査は、実際に地中海に何が、どのように起こったのかという仮説に大きな影響を与えるでしょう」

文 MAYA WEI-HAAS、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社

Categorised in: ご近所の話題