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2020年5月10日

11866:「異次元の生存支援」で、新型コロナの影響から自殺を防げ:記事紹介

清澤のコメント:8日連続で都内の新規新型コロナ感染者数は100人を下回っています。このブログの来訪者もそれに伴って減少し、4月28日に20968回だったものが5月9日には4311回と5000回を割り込みました。日本眼科学会のネット上のスライド公開は来週いっぱいに延長されています。日眼データでは図などの採録はできませんが、スライドに目を通して興味を惹かれる演題を更にこのブログで紹介してゆきたいと思っています。

今日のコロナ関連ユースは、今後日本で自殺者増加の恐れがあるという話です。これから経済的に追い詰められて、気鬱から自殺に至る人々が増えてくるだろうから、国がその人々を経済的に救えという提言です。記事を短縮して採録します。この10年間、日本人の自殺は減っていたのですね。

清水康之  | ライフリンク代表

5/10(日) 5:16

出典:NPO法人ライフリンク

守るべきは、すべての命

 政府が4月7日に閣議決定した『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策 ~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~』を一読してから、ずっと気になっていることがある。それは、政府は「新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)から命を守る意思」はあっても、「感染症拡大防止の影響から命を守る意思はない」のではないのか、ということだ。

 と言うのも、自由民主党政務調査会が政府の緊急経済対策に先駆けて3月31日にまとめた『緊急経済対策第三弾への提言 ~未曽有の国難から「命を守り、生活を守る」ために~』には、「新型コロナウイルスから国民の命を守る。同時に、(中略)新型コロナウイルスに伴う経済危機・苦境から命を守る」と明確に謳われているのだが、政府の緊急経済対策にはこれがない。感染症拡大防止の影響から守るのは「命ではなく生活である」と、妙な予防線を張っているように感じられてならない。

 事実、政府は緊急事態措置の実施期間を5月末まで延長することを決めて、極端な見方をすれば、少なくとも一義的には、「経済の停滞など、感染症拡大防止の影響により、リスクにさらされる命」よりも「感染症そのものにより、リスクにさらされる命」を優先したわけだが、前者を守るためにあらゆる手を尽くすという姿勢が見られない。

 本来であれば、1)間髪を入れずに「感染症拡大防止の影響からも命を守る」と明言し、2)時限的にでも大幅な要件緩和を行って生活保護制度を使いやすくすることなどで、躊躇なく「命のセーフティーネット」を確保。3)その上で、「個々の事情に応じた生活支援策」を実施したり「将来的な経済対策」を設計すべきである。つまり、いま危機に直面している命を最優先にして「最後のセーフティーネット」をまずは整えて、それから、その手前の段階に様々なセーフティーネットを張り巡らせていくべきである。ところが実際は、深刻化する人々の暮らしに後手後手で対応する形で、経済対策や生活支援を細切れ的に行っている。すべての命を守るために万全を尽くすことが政治の使命であるはずなのに、それが十分ではない。

自殺リスクの急速な高まり

 このままでは、平成10年の自殺急増と同じことが起きかねない。日本では、平成9年までは2万人台の前半だった自殺者数が、北海道拓殖銀行や山一證券の経営破綻等に追いやれるなどして倒産件数が急増し、失業率が悪化する中で、平成10年に年間8000人以上(主に中高年男性)急増して年間3万人を超えた。

「令和元年中における自殺の状況(令和2年3月17日)」より抜粋
「令和元年中における自殺の状況(令和2年3月17日)」より抜粋

 自殺は、平均4つの悩みや課題が連鎖する中で起きることが、自殺者523名を対象とした聞き取り調査から明らかとなっている。「失業」や「倒産」、「収入の低下」や「生活苦」、「離婚などの家族問題」や「健康や将来への不安」、「アルコール依存症やうつ状態」など、複数の悩みや課題が連鎖する中で、「もう生きられない」「死ぬしかない」という状況に陥り、その末に亡くなっている人が多い。「自殺」と言っても、実際は自ら死を選んでいるのではなく、その多くは「追い込まれた末の死」なのである。

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 そしていま、刻一刻と、感染症の影響により悩みや課題が連鎖する中で、社会的な自殺リスクが急速に高まっているのを感じる。自殺対策に取り組む民間団体に日々寄せられる「自殺相談」においても、感染症関連のものが目に見えて増えてきている。

「生存支援=自殺対策」の徹底を

 平成10年と今回との違いは、当時にはなかった「自殺対策基本法(2006年)」があり、自殺対策を総合的に行うための社会的な枠組みができていることだ。

 しかし、緊急事態措置の実施期間が5月末まで延長されたこともあり、いますべき喫緊の自殺対策は「生存支援」となっている。先述の通り、「感染症拡大防止の影響からも命を守る」と明言し、時限的にでも大幅な要件緩和を行って生活保護制度を使いやすくすることなどで、躊躇なく「命のセーフティーネット」を確保すること。

 政府は緊急的に「異次元の生存支援」を実施すべきだ。いま危機に直面している命を最優先にして万全を尽くすことが、「大丈夫、社会はあなたを見捨てない」という明確なメッセージにもなり、社会全体の安心感にもつながる。感染症からも、感染症拡大防止の影響からも、しっかりと命を守り切ってもらいたい。

Categorised in: ご近所の話題