お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2019年12月18日

11390:宇喜多の捨て嫁:読了

木下昌輝著『宇喜多の捨て嫁』は、「オール讀物新人賞」を受賞し、第152回直木賞候補作にもなった。 ( https://ddnavi.com/review/227619/a/

血も涙もない邪悪な戦国大名として知られる、宇喜多直家を主軸とした6編の短編集。暗殺を繰り返す極悪非道な男。

 表題作が『宇喜多の捨て嫁』。当時、戦国大名は、血縁の娘を政略結婚させることは少なくないが、血のつながった娘を他家に嫁がせ、油断させた上で寝首をかくというのが直家の常套手段。

直家の四女・於葉も嫁に出されることとなったが、直家の策略に娘は強く反発した。しかし時は過ぎ、於葉の嫁家も滅ぼされ落ち延びた於葉は、尼僧になっている。

父、宇喜多直家の死:備前を手に入れた直家は1579年に毛利とも手を切り、織田信長の家臣となった。毛利との戦いのさなか、ある病気が直家を襲う。その病気とは『尻はす』。直家の死:「或説に、直家の腫物は、尻はすといふものにて、膿血出づることおびただし。是をひたし取り、衣類を城下の川へ流し捨つるを、川下の額が瀬にて、乞食共度々拾ひけるに、二月中旬より、此穢れたる衣類流れざるより、直家はや死去ありしといふ事を、外にて推量して、皆之を沙汰しけるとぞ」(備前軍記より)という。

これで、「尻はす」と呼ばれる腫物から膿の混じった血が沢山出ることは分かるが、それ以上は不明。「尻」というキーワードと出血から『大腸癌』では無いか?という説も見られる。腫物という表現は主に「皮膚に出来た病変」を指すので、「身体の表面にできた腫瘤から膿や血が大量に出た」と解釈する。「皮膚癌」の一種ではないかとの推測も可能。この小説『宇喜多の捨て嫁』では、刀傷に出来た腫瘍が穢れた血膿を吹き出し、その様子が汚物を排泄する尻に似ていることから「尻はす」と呼ばれると表現している。

こうした経過から『癌』であった可能性は高い。かくして謀略の限りを尽くした 梟雄 宇喜多直家は天正9年(1581年)の末頃に岡山城で病死、享年53歳。

Categorised in: ご近所の話題