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2019年10月28日

11237:奇怪すぎる形状で研究者を悩ませた海の怪物、タリーモンスターの正体に逆転劇!

清澤のコメント:今日の眼の話題はタリーモンスターの種の帰属問題です。眼のメラノソームが含む金属イオンで決められたそうです。

2019/10/27

(タリーモンスター)

■3億年以上前に生息していたタリーモンスターはこれまで脊椎動物と分類されてきたが、実は無脊椎動物である可能性が高いと判明

■これまでメラノソームは脊椎動物の眼にのみ存在すると考えられてきたが、近年の調査で無脊椎動物の眼にも存在することが分かった

■脊椎動物のメラノソームが多くの亜鉛と結合するのに対し、無脊椎動物のメラノソームは銅、とりわけCu+1と多く結合するが、タリーモンスターも同様だった

トゥリモンストゥルム、別名「タリーモンスター」は、3億年以上前に現在のイリノイ州周辺に存在し、海を泳ぎ回っていた体長15センチほどの生物で、目を引くのは、突き出した眼。

3年前に科学者たちは、この謎の生物をヤツメウナギに近い種類の脊椎動物と結論づけました。また、さらに最近になって行われた調査でも、この分類が正しいことが確認されました。しかし、最近改めて実施された分析結果によると、この分類が誤りだった可能性が高いようです。

論文は、雑誌「Proceedings of the Royal Society B」に掲載されています。

Synchrotron X-ray absorption spectroscopy of melanosomes in vertebrates and cephalopods: implications for the affinity of Tullimonstrum
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2019.1649

眼に含まれるメラノソームに着目

調査は、タリーモンスターの眼に焦点を当てたものです。研究チームは、メラノソームと呼ばれるメラニンを含む細胞小器官に着目しました。メラノソームは、亜鉛や銅などの金属と結合することで、抗酸化剤として機能していると考えられています。

メラノソームは脊椎動物の眼にのみ存在すると考えられてきたため、同研究チームは2016年の調査で、タリーモンスターがメラノソームを持つことからこれを脊椎動物と分類しました。

ですが近年、マダコやヨーロッパヤリイカといった現存する無脊椎動物の分析を通じて、メラノソームが無脊椎動物の眼にも存在することが明らかになってきました。

脊椎動物と無脊椎動物ではメラノソームの金属結合に明らかな違いが

加えて、無脊椎動物の眼に存在するメラノソームは、脊椎動物の眼に存在するメラノソームとは異なる方法で金属に結合することも判明しました。脊椎動物のメラノソームが無脊椎動物よりも高い亜鉛濃度を示すのに対し、無脊椎動物のメラノソームは銅、とりわけ電子が1つ抜けたCu+1(1価の銅イオン)を多く含んでいたのです。

タリーモンスターの化石の眼から採取したメラノソームも、同じ岩で見つかった脊椎動物の化石の眼から採取したメラノソームと比べると、亜鉛をほとんど含まない代わりに、相当量のCu+1を含んでいました。古生代の海に生息した怪物は、見た目のインパクトを裏切らず、まだ多くの謎に包まれています。

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