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2019年10月13日

11164:神経眼科学会:全身疾患1(ポスター)の座長印象記

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昨日の台風19号で風水害に合われた方々にお見舞いを申し上げます。駅に来てみたら、日曜午前はまだ昼までJRが動いておらず、高円寺駅から中野駅までタクシーで移動して、始動していた東京メトロ東西線で医院に来て作業をしています。東日本大震災の後の日々を思い出しました。下の薬局や居酒屋は路面店なので雨が吹き込まぬように厳重な目張りがしてあり、水を入れた袋を土嚢代わりに並べていました。当医院に実害は出ておりませんので、火曜朝からは通常に診療いたします。(金曜日の忘れ物:患者さんの携帯電話をお預かりしています。)

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学会の余韻を感じつつ嵐の去った東京で学会印象記を書きました。依頼されたポスター発表4 全身疾患1の座長印象記です。

P4-1 大阪医科大学廣川貴久氏らは貧血が一因と考えられた特発性頭蓋内圧亢進症の1例を報告した。特発性頭蓋内圧亢進症は比較的若い肥満女性に発症しやすいとされており、本症例もその要件を満たす。MRIで頭蓋内静脈洞の描出も否定的で、貧血を原因と考えていた。

P4-2 秀和総合病院・東京医科歯科大の亀田千尋氏らは、うっ血乳頭をきたした慢性硬膜下血腫の1例を報告した。患者は糖尿病にも罹患しており、頭痛・一過性視蒙その他の脳圧亢進症状はなかったが、診断は眼底検査での乳頭浮腫がきっかけであった。糖尿病は慢性硬膜下血腫のリスクファクターであるという文献もあり、それを考えてみることには意味があろう。

P4-3 帝京大伊藤政晃氏らが周産期に合併した視野障害の一例を報告した。患者は頭痛と同名半盲を演者は可逆性脳血管攣縮(RCVS)をその原因と考えた。子癇を念頭に置いた質問が出ていたが、演者は血圧亢進を伴う妊娠中毒症の子癇とは別の病態と考えたようであった。

P4-4 医科歯科大住友沙織氏らは自覚的視野狭窄を呈した症例の脳糖代謝分布を報告した。ラグビーの練習中に脳震盪を起こし自覚的な視野狭窄を訴えるも視野検査では狭窄が検出できなかった症例である。PETによる脳局所糖代謝が第一次視覚領の前半部分で低下していることから、Hortonの視野のマップと照らし合わせて何らかの高次視機能変化が検出されたのではなかろうかとした。ワールドカップ開催中のラグビーと、今回の招待講演者Horton教授に関連の演題であった。

P4-5 神戸大山田裕子氏らは抗PD-L1抗体薬により視神経炎と下垂体機能低下を来した一例を報告した。免疫チェックポイント阻害薬(CPI)は顕著な抗腫瘍効果を示す一方で、多臓器に免疫関連副作用を(irAE)を起こすことが知られる。症例は、同薬投与後に視神経炎と下垂体機能低下を起こした症例にステロイドパルスが有効であった例である。重要な症例報告といえそうである。

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