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2019年7月15日

10910:海老蔵 急性咽頭炎で休演、急性咽頭炎とは?

清澤のコメント:海老蔵さん急性咽頭炎でダウン。アデノウイルス感染かもしれないというので急遽、急性咽頭炎の診断を調べてみました。眼科で良く流行性角結膜炎を起こすアデノについては詳しくは記載ありません。

追記(2019.7.16):以前の記事、9966:夏に流行「アデノウイルス」大人が感染するとこんなに怖い。も多くの方々に読まれています。 https://www.kiyosawa.or.jp/neighbors/53750.html

  • 海老蔵 急性咽頭炎で休演。夜の部中止 「声が出なくなりました」とブログで謝罪

(デイリースポーツ 2019/07/15 15:57)

 歌舞伎俳優・市川海老蔵(41)が15日、東京・歌舞伎座の舞台「七月大歌舞伎」の夜の部を「体調不良」で休演することが同日、発表され、夜の部の公演は中止となった。海老蔵はブログで急性咽頭炎であることを明かし、謝罪した。

 「アデノウィルスや菌が声帯に付着してしまい発声困難になりました」と説明。ここ数日、体調不良を感じ、さまざまなことを試してみたが回復せず、「無念」と吐露。

  • 急性咽頭炎とは?:急性咽頭炎の診断で気を付けることは? (2018/12/19)具芳明先生の具体的記載が詳しい記事を参考に短縮し採録。

◎急性気道感染症のうち、喉の痛みを主症状とするものを急性咽頭炎と分類する。

「かぜの訴え」の中でも喉の痛みは最も注意して診断を進める必要がある。主訴「喉の痛み」は感染症以外で生じることもあり、感染症でも重症例のこともある。

喉の痛みを訴える患者を診たら、最初にすることは、本当に喉から来ている痛みなのかを確かめること。嚥下時に痛みがあるかどうかを確認する。飲み込んだ時に痛ければ、咽喉頭から来ていると考える。(喉以外から来る危険な痛みは省略)

◎口が開かないのは危険信号:咽頭の外側に強い炎症があると咀嚼筋群に炎症がおよび開口障害を来す。開口障害なら後咽頭膿瘍や縦隔炎等を念頭に。

◎他にもある危険信号:開口障害の他にも注意すべき危険信号がある。

(1)喉の痛みを診たら、まずは嚥下時痛をチェック。

(2)嗄声が強い場合も要注意。急性喉頭蓋炎など喉頭の強い炎症を示唆する症状の可能性がある。急性喉頭蓋炎は気道閉塞を来し得る。

(3)呼吸困難は対応を急ぐ。上気道の炎症に伴う呼吸困難は気道狭窄の可能性を示唆する。

(4)口蓋垂が左右どちらかに偏位していれば、扁桃周囲膿瘍を考え、ドレナージも考慮。

これらの症状を診たら、扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎、咽後膿瘍など、専門的な対応を急ぐ疾患も考える必要あり。

◎急性咽頭炎と診断したら

 急性咽頭炎症と判断され、かつ危険信号を認めないなら、急性咽頭炎として診療を進める。次は抗菌薬が必要かどうかを見極める。

急性咽頭炎の原因微生物は、かなりの部分をウイルスが占める。抗菌薬の適応となるA群β溶血性レンサ球菌(GAS)による急性咽頭炎は、成人であれば全体の10%程度。

 ウイルス性であれば、抗菌薬は不要。欧米からの報告ではGAS以外のC群やG群溶血性レンサ球菌やFusobacterium属も急性咽頭炎の原因になる可能性がある。その急性咽頭炎の原因微生物がGASかどうかを見極める。

 咽頭所見だけでGASによる急性咽頭炎を見極めることは難しい。ウイルス性の急性咽頭炎や伝染性単核球症でも扁桃に白苔が付着することはあるし、GASによる急性咽頭炎でも咽頭発赤のみのこともある。他の症状と併せ、場合によっては検査を組み合わせるなどして可能性を見積もっていく。

 GASによる急性咽頭炎の可能性を見積もる。McIsaacの基準で点数が高くてもGAS以外の急性咽頭炎が一定数含まれる。(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/amr/201812/559146.html)これらの基準だけでは過剰診断につながる可能性がある。これらの基準でスクリーニングした上で点数が高ければ迅速抗原検査または培養検査を行い、GASが検出された場合に限って抗菌薬を使用するという方針が手引きでも採用されている。GASの迅速抗原検査は感度95%、特異度70~90%。GASの迅速抗原検査はインフルエンザのそれと比べ、外来診療、特に診療所であまり使われないが、咽頭のぬぐい液を用い、抽出作業を含めても15分程度で結果は得られる。

 ここまでの要点をまとめると、次のようになる。

急性咽頭炎診断のポイント

・「喉の痛み」が本当に咽頭由来なのか、緊急対応の必要な状況でないかを判断する。

・急性咽頭炎がGASによるものかどうかを見極める。咽頭所見だけでは分からない。

・検査前確率を評価した上でGASの迅速抗原検査を活用する。

・急性咽頭炎=抗菌薬、ではない!

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