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2019年6月16日

10828:法医学大野曜吉名誉教授に「冤罪事件を振り返る」という話を聞きました。

日本医大法医学大野曜吉名誉教授に「法医学鑑定 松橋事件を中心に」という話を聞きました。(関東艮陵同窓会)

法医学者というのは死体解剖をして最初の解剖鑑定書を作成するだけではなく、被告側弁護人の依頼を受けて、先の判決に使われた鑑定書などの誤謬を指摘して、冤罪を晴らすという大きな仕事があるようです。退職後の今後も法医学的な相談に乗るという仕事を続けるという事でした。彼が最初に手掛けたトリカブト殺人事件の説明はありませんでした が、代わりに彼の手による事件の詳細を記した冊子が配布されました 。

光市母子殺害事件:平成11年4月14日、山口県で発生した母子殺人事件。Fは殺人・強姦致死・窃盗の各容疑の罪状で、刑事裁判で裁かれた。差し戻し控訴審で言い渡された死刑判決が確定し、現在再審請求中。大野教授は、その その差し戻し審の時に関与。死体の状況から「馬乗りになって両手で首を絞めた」という事ではなく、後ろから腕を首に巻き付ける様にして絞めた筈で、法医学的判断は違うという。

松橋事件(まつばせじけん)は、昭和60年1月、熊本県松橋町で発生した殺人事件。将棋仲間の男性が逮捕・起訴され、懲役13年の有罪判決。服役後の再審で無罪が言い渡され確定。事件発生・逮捕から再審での無罪確定まで34年を要した。大野名誉教授はセーター、下着、死体首の各傷を対応させて分析し、検察側が示した 切り出し小刀が凶器ではないことを示して無罪を勝ち取った。

③横浜:酔った人に絡まれて暴行を受けて反撃した所、相手が蜘蛛膜下出血で死亡。事実関係はそうであっても、何処の血管からのどういう種類の出血かが特定できておらず、外傷による脳底部動脈の破裂としても、第1撃である右手拳による殴打(下顎左側骨折を伴う)が原因で、その後の俯せ状態での踏み付け(第1審では認定)では起こりえないと、大野教授は主張した。結局、東京高裁で大野君の主張が認められ、正当防衛で逆転無罪となった。

(大野教授の指摘点を加筆修正 6月20日)

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