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2019年2月16日

10473:インフルエンザの免疫、腸内細菌が作る…〔読売新聞〕

2019年02月13日 14:20

清澤のコメント:掲載誌はPNASです。 インフルエンザウイルスへの免疫反応が低下したマウスに、3種類の短鎖脂肪酸を投与したら、インフルエンザウイルスを排除する免疫反応が回復したというお話です。

ーーー読売新聞からーーー

 腸内細菌が体内で作る物質がインフルエンザウイルスに対する免疫反応を向上させる可能性があると、東京大医科学研究所の一戸猛志准教授らのチームが発表した。論文が米科学アカデミー紀要に掲載された。

 腸内細菌は食物繊維を消化して人間などの重要な栄養源「 短鎖(たんさ)脂肪酸」を作っている。チームは、インフルエンザウイルスへの免疫反応が低下したマウスに、酢酸と酪酸、プロピオン酸の3種類の短鎖脂肪酸を投与した。その結果、インフルエンザウイルスを排除する免疫反応が回復したという。

(2019年2月13日日 読売新聞)

東京大学プレスリリースから詳細を引用:

腸内細菌叢がインフルエンザワクチンの効果を高めるメカニズムを解明 ~地球温暖化や食糧危機がワクチン効果に与える悪影響とは~

1.発表者: 一戸 猛志(東京大学医科学研究所 感染症国際研究センター ウイルス学分野 准教授) 森山 美優(東京大学医科学研究所 感染症国際研究センター / 日本学術振興会 特別研究員)

2.発表のポイント:

◆外気温がウイルス感染後の免疫応答に与える影響を解析し、暑い環境下ではインフルエン ザウイルス感染後の免疫応答が低下することを見出した。

腸内細菌由来代謝産物およびグルコースが、インフルエンザウイルス感染後の免疫応答の 誘導に重要であることを明らかにした。

◆地球温暖化や食糧危機、過度なダイエットはワクチンの効果を低下させる可能性がある。

3.発表概要: 東京大学医科学研究所感染症国際研究センターウイルス学分野の一戸猛志准教授らは、 外気温や摂食量、腸内細菌由来代謝産物などがインフルエンザウイルス感染後の免疫応答 やワクチン効果に影響を及ぼすことを見出しました。 地球温暖化は、さまざまな感染症を媒介する生物(ジカウイルスを媒介する蚊や重症熱 性血小板減少症候群ウイルス(SFTS ウイルス)を媒介するマダニ等)の生息域を拡 大させますが、外気温がウイルス感染後に誘導される免疫応答に与える影響については不 明でした。また腸内細菌叢がインフルエンザウイルスに対する免疫応答の誘導に役立つ理由も未解明のままでした。 今回、地球温暖化を想定した 36℃という暑い環境で飼育したマウスは、22℃で飼育した マウスと比較して、インフルエンザウイルス、ジカウイルス、SFTS ウイルスの感染後に誘導される免疫応答が低下することを見出しました。暑い環境で飼育したマウスは摂食量が 低下しており、この摂食量の低下が免疫応答の低下につながる要因のひとつでした。そこ で、宿主の栄養状態がインフルエンザウイルスに対する免疫応答の誘導に重要な役割を果 たしているという仮説を立てて検証したところ、36℃で飼育したマウスに腸内細菌由来代 謝産物(酪酸、プロピオン酸、酢酸)やグルコースを投与すると、低下していたウイ ルス特異的な免疫応答が部分的に回復することを見出しました。 以上の成果は、外気温がウイルス特異的な免疫応答の誘導に影響を与えることを示した 世界で初めての例であり、腸内細菌叢がインフルエンザウイルス特異的な免疫応答に役立 つ理由を解明した極めて重要な知見です。また地球温暖化や食糧危機、過度なダイエット が、米国で認可されている弱毒生インフルエンザワクチンや、我が国で臨床試験段階にあ る経鼻投与型インフルエンザワクチンの効果を低下させる可能性を示唆するもので あり、これらのことを正しく理解し、対策を講じるにはさらなる研究が必要です。 本研究成果は、2019 年 2 月 5 日午前 5 時(米国東部時間 2 月 4 日午後 3 時)の米国科学 アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America: PNAS)のオンライン速報版で公開されます。

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