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2018年11月12日

10265:少子化の裏で加速するY染色体の退化 人類は絶滅危惧種?:記事紹介

2018年11月08日 日刊ゲンダイ記事

 少子化が進む中、「ヒトのY染色体は消滅し、人類は滅亡するかもしれない」とささやかれている。キッカケは世界的科学雑誌「ネイチャー」が2002年に掲載した論文である。著者は性染色体の進化研究の世界的権威。男性になるためのY染色体上の遺伝子数が100万年に5個のペースで消減しており、いずれY染色体が消え、男性がいなくなって人類は絶滅するかもしれないという。人類は絶滅危惧種なのか? 「性の進化史」(新潮選書)の著者で名古屋大学大学院生命農学研究科の松田洋一教授に聞いた。

■何が精子を退化させたのか?

「Y染色体はもとはX染色体と同じものでしたが、退化が進んで遺伝子の数がどんどん減少し、現在の78になったといわれています。X染色体の1098に比べ極端に少なく、しかも78のうち機能が確認されたのは27しかありません」

 その影響は精子の減少に表れている。6大陸50カ国、4万2935人の精子提供者を対象にした国際共同調査によると、2011年までの38年間に北米、欧州、豪州などでは精子数が50%以上減少したという。

「もちろん、たった38年間でY染色体上の精子の数に関係する遺伝子が減少し変異したのではありません。食品添加物やインスタント食品の容器や塗料、農薬、電磁波、肥満やストレス、生活習慣などの環境要因によって、遺伝子変異を伴わずに遺伝子の発現パターンや細胞の性質を変えるような後天的な変化が起きていると思われます

 では何が精子を劣化させたのか? 理由のひとつとして「一夫一妻制」という結婚形態が考えられる。精子競争がないため、本来なら淘汰されるべき弱い精子の遺伝子やY染色体が次世代に受け継がれてしまうからだ。(中略)
■多様性消滅で地球環境の変化に対応できない
 もうひとつ、Y染色体や精子の劣化の流れに拍車を掛けているのは生殖補助医療である。―――その結果、ますますY染色体や精子は劣化していく。この流れはさらに加速するに違いありません」
 やはり、Y染色体が消滅し、いずれ人類は絶滅するしかないのか?

「私はそうは思いません。Y染色体で2億年以上前に消滅したと考えられる400の遺伝子のうち、5つの遺伝子が残っていた。精子の生産に必要な遺伝子は残るはずです」
「そもそも生物に雄と雌があるのは多様な環境変化に耐えられるよう、多様な遺伝子の組み合わせを持つ子孫をつくるためです。有性生殖なら精子と卵子が受精することで雌雄の異なる遺伝子が混じり合い、多様な遺伝子を持つ個体をつくることができます。さらに突然変異によって生まれた新たな遺伝子が精子と卵子を介して次世代に伝えられる。その結果、さまざまな環境変化に対応できる遺伝的な多様性を生み出せる」 形を変えても男と女が存続する限り、人類は安泰のようである。

清澤のコメント:この記事の著者に『「性の進化史」今ヒトの染色体に何が起きているのか。松田洋一』という本を紹介されました。早々に読んで紹介したいと思います。

「2002年のネイチャー論文」と言う物がどれを指すのかちょっと調べましたが不明です。この本に答えがありそうです。

また、Is the Y chromosome disappearing?—Both sides of the argument Darren K. Griffin Chromosome Res (2012) 20:35–45という論文がありました。この辺りにも答は有りそうです。

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