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2018年9月12日

第10114回 蜂窩織炎とは

蜂窩織炎とは 要点 •蜂窩織炎全体で最も多い頻度の高い原因菌は化膿レンサ球菌と黄色ブドウ球菌である。 •MRSAも考慮すべき。 •下肢の蜂窩織炎は,皮膚の熱感,発赤,橙皮状皮膚,およびリンパ節腫脹の存在により,深部静脈血栓症と鑑別。 •培養は行わないが,重度の感染や合併症を伴う感染がみられる患者では,血液培養や組織培養を行う。 •抗菌薬療法では最も可能性が高い病原体を標的とする。(MSDマニュアル A. Damian Dhar, MD, JD)

 前文:蜂窩織炎は皮膚および皮下組織の急性細菌感染で,最も頻度の高い原因菌はレンサ球菌とブドウ球菌である。症状と徴候は,疼痛,急速に拡大する紅斑,および浮腫である;発熱や所属リンパ節腫脹が生じることもある。診断は病変の外観による。治療は抗菌薬による。時機を逸することなく治療すれば,予後は極めて良好である。

◎病因:蜂窩織炎はA群β溶血性レンサ球菌または黄色ブドウ球菌が原因である場合が最も多い。レンサ球菌の感染病巣は,びまん性で急速に拡大する。ブドウ球菌による蜂窩織炎はレンサ球菌によるものよりも限局性で,通常は開放創または皮膚膿瘍に生じる。危険因子として皮膚の異常(外傷,潰瘍,真菌感染症,その他)がある。

◎症状と徴候:感染は下肢で最も多く発生する。典型的な蜂窩織炎は片側性である。皮膚は熱感,発赤,および浮腫を呈し,表面はオレンジの皮に似た外観(橙皮状皮膚)を呈することが多い。境界は通常不明瞭である。白血球増多がよくみられる。感染の急速な拡大,疼痛の急速な増強等を伴う蜂窩織炎は,生命を脅かす感染症を示唆する。

◎診断:診断は診察による。皮膚培養は適応とならない。易感染性患者では,菌血症を検出または除外するための血液培養が有用である。臨床所見に基づいて膿瘍を除外すべき。

◎予後:大半は,抗菌薬療法で速やかに消退する。ときに局所的な膿瘍が形成され,切開排膿が必要になる。

◎治療:•抗菌薬:治療は抗菌薬による。地域での皮膚原因菌頻度が分かっている場合は,経験的治療は最も可能性の高い病原体を対象として行うべきである。大半の患者には,A群レンサ球菌と黄色ブドウ球菌の両方に効果的な経験的治療を選択する。 軽度の感染症:ジクロキサシリン250mg等を1日4回投与する経口療法で十分。投与を遵守しない患者には,レボフロキサシン500mg,経口,1日1回など(中略)。重篤な感染症では入院させて,オキサシリンまたはナフシリン(1g,静注,6時間毎)またはセファロスポリン系薬剤を投与。患部の安静挙上が浮腫軽減に役立ち,ドレッシング剤で局所の不快感を軽減できる。再発を繰り返す下肢の蜂窩織炎は,合併した足白癬を治療することで予防でき,これにより,炎症を起こし浸軟した組織への細菌の供給源がなくなることが多い。

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