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2018年7月1日

9979:「東京JMAT研修会」印象記

20180701164912平成30年度第1回「東京JMAT研修会」が約65人を対象に71日に神田駿河台の東京都医師会館で開かれ、江東区医師会からは私を含めた3名の医師が出席しました。
一日の講義の後で、予告通りペーパー試験も行われて、修了証が発行されました。その
内容の概要は次の通りでした。

1,災害医療概論:災害医療は絶対的な医療資源と医療施設不足の中で行われ、生命>機能>整容の順で行う。DMAT:Disaster Medical Assistance Team災害急性期に活動できる機能を持ち、トレーニングを受けた医療チーム。東京JMAT:東京都医師会により組織・育成される医療救護班。

2,災害現場医療対応の原則:災害時は総力戦。CSVATTとは、指揮統制と調整、安全、情報伝達、評価、トリアージ、治療、搬送をまとめた言葉。METHANE:自分の名前から始まる無線でT本部に伝達すべき内容。

3,東日本大震災の教訓と東京都の災害医療体制:患者は避難所ではなく病院に集中する。災害拠点病院だけでなく、災害拠点連携病院(中小病院)も組み込んだ組織化をする。石巻の例ではピークは2-3日。慢性期に入っても来院者は減らない。緊急医療救護所を病院前に区が設置し、医師会が運営して、病院に入れる患者の整理を行う。緊急医療救護所内部配置の例示の示された。

4,緊急医療救護所を考える(机上討論):震度6強が来た場合に緊急医療救護所を区が設置し、医師会が運営する。開設には誰が必要か?何が必要か?維持には誰と何が必要か?診療部門と運営部門が必要。

5,通信機器の使い方。:衛星電話とトランシーバーの実習。

6,Mass-gatheringにおける医療支援の必要性と危機管理:スポーツイベントの危険管理。マラソンでは死者も出ている。野球観戦でもけが人が出ている。「人が集まれば何かが起きる」との認識をもて。競技会場医療スタッフ配置案が必要。

7,他組織(消防、警察、自衛隊)との連携:連携を妨げるものは、「妖怪ベキダー」(システムを整えるべきだなど)、「紅症候群」(-してくれない)、「なんでダケ」の駆除(なんで私だけが忙しいの?)。多組織(消防、警察、自衛隊、自治体)との連携が欠かせない。医師会以外は強い階級組織なので、こちらのトップから(自衛隊や消防の)トップに依頼しないと各隊員は要請に応じて動くことが許されてはいない。自衛隊の任務地区は遠方の部隊到着に従って、時間単位で交代する仕組みである。

8,トリアージ講義

9,トリアージ実習:混乱している状況下で、できるだけ多くの傷病者に最善の医療を提供するため、優先順位を決める。赤タッグ=第一順位:迅速な救命措置が必要、黄色タッグ:第二順位=最優先治療群に引き続いて救急処置が必要。緑タッグ:第3順位1,2の後での処置が許容される傷病者。黒タッグ:第4順位=保留群(緑タッグ)の後に対応する。
医療救護所では、搬送順位を決めるために行う。

〇一時トリアージ(START法):緑(歩行可能)と黒(気道確保後の無呼吸)を除外し、黄色と赤を呼吸・循環・意識で区別する。
二次トリアージ(集積と精度向上のPAT法)。2次トリアージは第一段階(生理学的)、第2段階(解剖学的)、そして第3段階(受傷機転)で分ける。第4段階で災害時要支援者(高齢者、妊婦、小児基礎疾患などの例外者)を黄色に繰り入れる。

〇トリアージタグの記載訓練。各欄の上に寄せて黒ボールペンで複写紙に強い筆圧で書く。立って机無しで記載。読む人と記載者がペアで行う。あらかじめ書いておける部分と、患者を前にして書く部分が有る。

(清澤注:今回の参加者でも、まだまだその技術については今後更に磨きをかける余地がありそうでした。)

10,検視・検案:検視は検察官の業務で、犯罪死体、非犯罪死体、変死を対象とする。これに対して、検案が医師の業務で医学的判断を死因や死亡時刻について記すもの。普通の死(死亡診断書の対象)か異状死(死体検案書の対象)か?大規模災害時における検案体制が作られている。東京都監察医務院の対応「災害時における検視、検案活動等に関する共同視診」に従い、区が設置する遺体収容所で行う。死体検案書発行はすべて東京都監察医務院名で行う。検案の実施要綱のビデオが供覧された。地震災害時の死亡案件は溺水や焼死ではなく、不慮の外因死の内で8のその他(国際疾病分類ICDー10)に分類する。

長い一日でした。

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